2004 Fiscal Year Annual Research Report
言語障害に伴う学習の問題を早期予防するコンピュター指導法の効果についての研究
Project/Area Number |
14310131
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
田中 裕美子 国際医療福祉大学, 保健学部, 助教授 (60337433)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下泉 秀夫 国際医療福祉大学, 保健学部, 教授 (30196547)
菊地 義信 国際医療福祉大学, 保健学部, 助教授 (20091944)
|
Keywords | 学習障害 / 軽度発達障害 / コンピュター指導法 / スクリーニング法 / 読み書き障害 / 音韻意識 |
Research Abstract |
最終年度は研究1-3を行い、今後の課題を検討した。 研究1)学習障害児が読み書き困難を克服するためのCALLプログラム(computer assisted language learning program:コンピュータを使った言語学習プログラム)を開発した。 (1)プログラムは、事前評価-学習-事後評価から構成される。 (2)事前・事後評価はともに単文字、単語(有意味語・無意味語)、漢字の音読および50音表完成課題からなり、内容も同じである。 (3)学習はゲームを通じて行い、子どもに自己学習への取り組み意欲を持たせるようになっている。ゲーム内容は、音韻意識(読み書きの基盤)、decoding(直接的な音-文字の対応)、キーワード(意味的アプローチ)の3つの能力向上を図るものである。音韻意識には「ボールで遊ぼう」「ロボットを作ろう」、decodingには「実のなる木」「山へ行こう」、キーワードには「サーカス」「飛行機に乗ろう」「城を作ろう」というゲームが用意されている。 研究2)実施対象児である言語障害に伴う学習の問題を呈する児童を発見するための通常学級用スクリーニングテストを開発した。 (1)2年生に夏休み前学級単位で一斉に担任が実施する。 (2)スクリーニングテストで成績不振の場合、保護者に了解を得、種々の個別掘り下げ検査を行った上で発達・学習の問題を判定する。 (3)平成15年度から那須塩原市の小学2年生(230名)にスクリーニングテスト・個別掘り下げ検査を実施した結果、11名(4.8%)が学習障害と判明した。 研究3)通常学級で発見した学習障害児がCALLプログラムを試行した。 (1)3名の児童(音韻性デスレキシア・視覚性読み書き障害・言語学習障害)が週2回、2-3週間試行した。 (2)その結果、プログラムが速やかに動くこと、子どもが意欲的に取り組むこと、落ち着きのない児童が最も時間がかかったことなどが明らかになった。 今後の研究課題 (1)CALLプログラムを本格的に様々な発達障害に一定期間適用し、読み書きスキル向上への効果を測定する (2)適用を通じてプログラムの実用化を図る。
|
Research Products
(4 results)