2004 Fiscal Year Annual Research Report
戦前日本の初等教員に求められた教職教養と教科専門教養に関する歴史的研究-教員試験検定の主要教科とその受験者たちの様態の分析-
Project/Area Number |
14310137
|
Research Institution | Ferris University |
Principal Investigator |
井上 惠美子 フェリス女学院大学, 文学部, 助教授 (80259316)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠間 賢二 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (50161013)
船寄 俊雄 神戸大学, 発達科学部, 教授 (40181432)
菅原 亮芳 高崎商科大学, 流通情報学部, 教授 (40348149)
坂口 謙一 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30284425)
|
Keywords | 初等教員 / 検定制度 / 教職教養 / 教科専門教養 / 教員免許状 / 教員養成 |
Research Abstract |
1年目の02年度に国立国会図書館所蔵の初等教員検定に関わる文献を収集した上で、03年度は、(1)国立公文書館文書や例規類纂の調査と、(2)初等教員試験検定が府県毎に実施されたことに鑑み、府県文書のパイロット調査を実施した。そして、04年度に兵庫県・宮城県・群馬県の初等教員検定に関わる行政文書の収集をほぼ完了した。 これらの資料の分析から得られた新たな知見をまとめ、第63回日本教育学会(北海学園大学、2004年8月)において「初等教員養成の歴史的研究(1)-小学校教員はどこから来たか」として発表した。そのポイントは、まず府県毎で初等教員試験検定が実施されたとはいえ、その実施細目についての文書は文部省に提出、承認を得なければならないメカニズムの存在が解明され、文部省による全国的な整合性を得るための調整がなされていたこと、第二に、中等教員試験検定のような自学自習による受検者ばかりでなく、特定の初等教員免許状の種類毎の初等教員試験検定が、府県当局や府県郡レベルの教育会主催による「講習会」とセットになっている場合も多く、より「養成」的傾向の強いことが判明したこと、である。教員養成における試験検定の位置を確定させるための作業の中で、中等教員検定に比較して、試験検定と無試験検定の境堺線が不明確であるという初等教員検定制度の特徴が明らかになったといえる。 05年度は、新たに静岡県行政文書の調査を実施する。その上で、本研究の主題である検定試験の試験問題の分析を中心に、日本教育学会で発表する予定である。
|
Research Products
(1 results)