2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14310151
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
中西 裕二 福岡大学, 人文学部, 教授 (50237327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
聶 莉莉 東京女子大学, 現代文化学部, 教授 (00258493)
末成 道男 東洋大学, 社会学部, 教授 (20054570)
白川 琢磨 福岡大学, 人文学部, 教授 (70179042)
島村 恭則 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (10311135)
李 鎮栄 名桜大学, 国際学部, 助教授 (30269170)
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Keywords | 自社会人類学 / 民俗学 / 人類学の世界システム / 人類学史 / アジア / 中国 / 韓国 / 日本 |
Research Abstract |
本年度は研究会を2度開催し、日本での共同調査を1回開催した。また、海外の資料調査を研究分担者2名と研究協力者1名が実施した。第1回研究会は平成14年6月16日(日)に東洋大学で開催され、英・米・アジアにおける自社会人類学の位置に関し討議を行った結果、その位置づけにかなりの偏差があることが明らかとなった。第2回研究会は平成14年11月9日(土)に福岡大学で開催され、研究代表者及び分担者による自社会人類学的研究のデザインについて議論と検討を行い、翌10日(日)に、共同の現地調査を行う福岡県甘木市黒川地区の予備調査を行った。そして平成15年2月17日(月)〜21日(金)まで、同地区において、当地の社会組織、民俗宗教の各側面についてインタビュー調査を行い、また甘木市下浦王子宮において「粥占い」儀礼の調査を実施した。海外の資料調査に関しては、分担者の李が平成15年1月8日〜15日まで韓国のソウルにおいて、同じく分担者の謝が平成15年3月1日〜12日まで中国北京及び四川省において、また研究協力者の劉正愛(東京女子大学非常勤講師)が平成15年2月12日〜20日まで、中国北京市、福建省において自社会人類学的な現地調査及び資料調査を行った。以上のように、本年は自社会人類学に関する理論的共通認識の確立、基礎資料の収集、予備的共同調査が中心となったが、日本を含めたアジア各国で、自社会研究の位置づけが不明確であるが、その「不明瞭さ」も各社会ごとに異なること、そして日本人と外国人が日本で現地調査を行う際、双方の研究者の持つ知識体系・ナショナリティが調査内容や観察に大きく影響しており、ナショナリティを越えた普遍的「文化人類学者像」の設定が可能かどうか、という問題点が明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 中西裕二: "私は人類学者なのか?-"日本の文化人類学"という制度を考える"福岡大学人文論叢. 35巻1号. (2003)
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[Publications] 末成道男: "中部ベトナムにおけるアム(庵)の素性"アジア・アフリカ文化研究所研究年報(東洋大学). 37号. (2003)
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[Publications] 仲川裕里: "Written genealogies : with special reference to the case of Korea"専修大学人文科学研究所年報. 33号. (2003)