2004 Fiscal Year Annual Research Report
尼寺文書調査の成果を基盤とした日本の女性と仏教の総合研究
Project/Area Number |
14310165
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Research Institution | Otemae University |
Principal Investigator |
岡 佳子 大手前大学, 人文科学部, 助教授 (50278769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西口 順子 相愛大学, 人文科学部, 教授 (80237685)
牧野 宏子 関東学院大学, 人間環境学部, 助教授 (50219309)
高木 博志 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (30202146)
原田 正俊 関西大学, 文学部, 助教授 (40278883)
岡村 喜史 龍谷大学, 文学部, 講師 (50340493)
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Keywords | 尼門跡 / 尼僧 / 尼寺 / 比丘尼御所 / 女性 / 中宮寺 / 慈受院 / 総持院 |
Research Abstract |
本年度は4回の尼門跡寺院の文書調査、2回の研究会を実施した。調査対象の寺院は昨年度に引き続いて中宮寺(平成16年8月2日〜8月6日、平成17年2月21日〜27日)、と慈受院(平成16年9月1日〜5日、平成17年3月3日〜7日)である。中宮寺では約500点、慈受院では約600点の文書を調査して、調書を作成し、その一部をマイクロ撮影した。 中宮寺文書は、江戸時代後期の尊照(慈心院宮)の7回忌・17回忌の法要、および近代の近衛尊覚の入寺に関する関係文書などであった。中宮寺宮の年忌法要の実態、さらに近代における尼門跡寺院と華族社会における尼門跡寺院の位置などが明確になった。慈受院文書は大正8年に合併した総持院蔵の文書であるが、近世後期の寺領関係文書、慈受院宮の消息などの調査の対象となった。調査後、中宮寺と慈受院の調査カードのデータ・ベース化を行った。 本年度は、2画の女性と仏教における諸問題をテーマにした尼寺文書研究会を実施した。本研究会は、研究分担者を中心に内外から発表者に招いての公開形式の研究会である。内容は、第5回研究代表者、岡佳子・大手前大学助教授「近世比丘尼御所の組織-円照寺蔵「寛文四年辰孟夏法度条目並序をめぐって」、西口順子・相愛大学教授「転女成仏経と転女身経-二つの変成男子思想-』(平成16年9月3日)、第6回切畑健・大手前大学教授「天寿国曼茶羅繍帳について」、吉田一彦・名古屋市立大学教授「天寿国曼茶羅繍帳の研究」であった。ことに後者は、国宝であり、飛鳥時代の代表的な美術品、天寿国曼茶羅練帳の成立年代を文書と作品の両面から考察する意欲的なものであった。
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Research Products
(7 results)