2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14310167
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Paleological Association of Japan Inc. |
Principal Investigator |
角田 文衛 財団法人古代学協会, 古大学研究所・教授兼所長 (70072709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西井 芳子 財団法人古代学協会, 古代学研究所, 講師 (90270561)
関口 力 財団法人古代学協会, 古代学研究所, 助教授 (30216527)
山中 裕 財団法人古代学協会, 古代学研究所, 教授
古藤 真平 財団法人古代学協会, 古代学研究所, 講師 (70250058)
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Keywords | 仁和寺 / 仁和寺所蔵典籍 / 古記録 / 系図 / 仁和寺黒塗手箱 / 尊卑分脈 / 承久三年、四年日次記残闕 / 仁和寺日次記 |
Research Abstract |
角田研究代表者の全体統括,山中研究分担者の調査統轄の下,仁和寺所蔵典籍のうち,歴史書を主対象とする調査を5回(平成14年7・10・12月,15年2・3月),のべ30日実施した。書籍第153・156・157・159・161箱の5箱の悉皆調査と,『系図』(黒塗手箱甲下段三所収).,『承久三年、四年日次記残闕』(重要文化財)の熟覧調査を行った。悉皆調査では,第153箱に『類聚国史』の版本,第156箱に『大鏡』『増鏡』『今鏡』の版本,第157箱に『新板大系図』の版本,第159箱に『典薬寮官人歴名』(古写本)と系図類などく新写本,版本),第161箱に『小右記』『山椀記』『明月記』などの古記録の新写本が収められていることを確認した。この調査によって得た資料(調書及び写真)を研究所に持ち帰って整理し,本文と書写・校合奥書及び刊記の両面から,今日まで知られている代表的な翻刻文と比較検討しつつ,データベース化作業を行った。熟覧調査については,黒塗手箱『系図』の記載内容が新訂増補国史大系本『尊卑分脈』頭注と合致するばかりでなく,貴重な歴史研究資料として全文翻刻する必要があること,『承久三年、四年日次記残闕』の表装が本来の本文配列を大きく損なう形でなされており,『仁和寺日次記』との関係をも含めて考察すべきことを確認した。黒塗手箱『系図』の全文翻刻作業は,関口研究分担者が平成15年度中に刊行される予定の『仁和寺研究』第4輯での発表開始を計画している。
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