2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14310172
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
曽田 三郎 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40106779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 肇 下関市立大学, 経済学部, 教授 (70194917)
笹川 裕史 埼玉大学, 教養学部, 教授 (10196149)
水羽 信男 広島大学, 総合科学部, 助教授 (50229712)
丸田 孝志 広島女学院大学, 生活科学部, 助教授 (70299288)
松重 充浩 日本大学, 文理学部, 助教授 (00275380)
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Keywords | 政治顧問 / 産業技術者 / 日中政治関係 / 産業発展 |
Research Abstract |
本年度は、近代中国の日本人政治顧問・産業技術者に関する基礎資料である外務省政務局等編纂の『清国傭聘本邦人名表』、『支那傭聘本邦人人名表』によって得られたデータを整理するとともに、日本で発行されていた新聞や『申報』等の中国語新聞以外に、戦前に発行された東北等の中国在住の日本人の人名録によってデータを補充する作業を行った。日本語の新聞については、昨年度に引き続いて『東京朝日新聞』、『都新聞』、『東京日日新聞』、『報知新聞』からの関連記事の集積を行うとともに、今年度は新たに『大阪毎日新聞』の記事分析にも着手した。人名録については『満洲紳士録』(1907年・1908年)、『支那在留邦人興信録』(1926年)、『満洲紳士縉商録』(1927年)、『満蒙日本人紳士録』(1929年)、『満洲紳士録』(第三版、1940年)等からのデータを集積した。現在のところ1300人前後のデータが得られているが、『清国傭聘本邦人名表』や『支那傭聘本邦人人名表』に記載されている俸給や契約期間等のあまり重要ではない項目を削除・整理する一方で、本年度新たに得られた資料によって日本や中国での各個人の経歴に関するデータを補強した。 本年度の研究成果の一端は、招待を受けて訪問した台湾の中央研究院近代史研究所での講演「海外政治視察団の派遣決定過程と日露講和問題」のなかでも取り上げ、参加した学者から貴重な意見を得ることができた。また論文としては、「清末の憲政準備と日本での官制改革論』(孫文研究会編『辛亥革命の多元構造』汲古書院、2003)を発表したが、明治末期の日本人が、法律顧問等も含めて様々な形態で中国の憲政準備に関与していたことを明らかにした。 来年度は本研究計画の最終年度に当たるため、これまでに蓄積したデータの整理と残された資料の分析を行い、研究成果報告書として取りまとめる予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 曽田三郎: "海外政治視察団の派遣決定過程と日露講和問題"広島東洋史学報. 第8号. 15-28 (2003)
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[Publications] 曽田三郎: "清末の憲政準備と日本での官制改革論"辛亥革命の多元構造(孫文研究会編). 301-316 (2003)
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[Publications] 水羽信男: "中国知識人の問いかけ"制度と生活世界(布川弘ほか編). 69-79 (2004)
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[Publications] 金子 肇: "近代中国政治史研究と文書史料-中華民国期を対象に-"史学研究. 第240号. 20-29 (2003)
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[Publications] 勝部眞人: "地域における文明開化の位相"近世近代の地域社会と文化(頼祺一先生退官記念論集刊行会編). 463-485 (2004)
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[Publications] 中山富廣: "広村古文書からみた近世村落像"芸備地方史研究. 第235・236号. 24-36 (2003)