2004 Fiscal Year Annual Research Report
近現代西洋史における「第三の道」論の史的展開に関する研究
Project/Area Number |
14310176
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
南塚 信吾 法政大学, 国際文化学部, 教授 (50055315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 弘明 千葉大学, 文学部, 教授 (20211823)
御子柴 道夫 千葉大学, 国際教育開発センター, 教授 (10219610)
雨宮 昭彦 千葉大学, 法経学部, 教授 (60202701)
岩田 昌征 東京国際大学, 経済学部, 教授 (60125284)
大峰 真理 千葉大学, 文学部, 講師 (70323384)
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Keywords | ヨーロッパ / 社会民主主義 / キリスト教 / 北欧 / 1930年代 / 資本主義 / 共産主義 |
Research Abstract |
本年度は、「第三の道」論の歴史的な展開を全体として展望し構成する作業、北欧とドイツとハンガリーにおけるその展開をいっそう具体化することに力点をおいた。また、ヴァチカンの主張するキリスト教的な「第三の道」論にも検討を加えた。 まず、歴史的な展開としては、普通「第三の道」論は、1990年代に入って、グローバリゼーションへの対応として登場してきているように考えられていえるが、実は、1930年代にさまざまな形で、ヨーロッパにおいて提起されていた思想であることが、ますます明らかになってきた。1930年代というと、一方でソ連の社会主義と、他方でのナチスなどによるファシズムの二つの大きな思想とイズムの対抗関係で考えてきた傾向があるが、そうではなくて、社会主義のなかでの多様な可能性、資本主義のなかでの多様な道、そして両者の多様な関係が模索され、なかにはすでに「第三の道」と自称していた思想もあったということが、明らかになった。そのような試みの延長上に、1990年前後からの新しい「第三の道」論の展開があるのである。 そのような1930年代の試みのなかで、今年度はとくにハンガリーの人民主義者によるもの、北欧のスウェーデンにおける「国民の家」構想、そしてドイツにおける「秩序資本主義」の思想について、検討を加えた。 また、現代の「第三の道」論としては、キリスト教的な「第三の道」論を検討した。 そして、最後に、3年間のまとめとして、「報告書」の作成にあたった。これには、ハンガリーからの特別寄稿をえた。
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Research Products
(2 results)