2005 Fiscal Year Annual Research Report
帝国統治システムの移転とアジア・欧米関係の変化に関する研究
Project/Area Number |
14310182
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Research Institution | Tohoku-Gakuin University |
Principal Investigator |
渡辺 昭一 東北学院大学, 文学部, 教授 (70182920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木畑 洋一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10012501)
横井 勝彦 明治大学, 商学部, 教授 (10201849)
秋田 茂 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (10175789)
中野 聡 一橋大学, 大学院・社会研究科, 教授 (00227852)
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Keywords | 帝国統治システム / ヘゲモニー / イギリス帝国 / アメリカのアジア政策 / 戦後世界 / 脱植民地化 / 世界システム / インド |
Research Abstract |
当該年度は、本計画の最終年度に当たるため、最終報告書作成のための打ち合わせを7月30日〜31日に明治大学においておこなった。これまでの各分担者の研究成果を確認し、各成果の相互連関と今後の展望を議論した。4年間と長期にわたったため、2年目に中間報告書として『The End of Empire and the Transition of Hegemony in the Asia and Pacific Areas』をまとめたが、その報告成果を踏まえての最終報告の概要を確認した。確認できた点は、アジア世界におけるイギリスの帝国支配からヘゲモニー支配への移行の限界、代わりに介入してきたアメリカのヘゲモニー支配の限界、さらには、アジア・ナショナリズムの台頭とその影響力の大きさであった。また、問題点もいくつか明らかにできた。特焦点となったのは、帝国とヘゲモニーの概念規定の困難さ、両者の相互連関性であった。さらには、ヘゲモニー支配をめぐってのイギリスとアメリカの関係をどのように考えるべきかが大きな問題点として浮かび上がった。この点については、次のプロジェクトの課題として追及していくことを確認した。 また、昨年度の日本西洋史学会のテーマで十分に議論できなかった東南アジア及び東アジア世界における大日本帝国とヨーロッパ所帝国との関係について、12月17日(土)に東北学院大学で開かれた社会経済史学会東北部会において、「東アジア世界における大英帝国と大日本帝国」のシンポジウムを開催した。 かくして、最終報告書(総頁数232頁)をまとめるとともに、その成果の一部として、渡辺昭一編『帝国の終焉とアメリカ-アジア国際秩序の再編』山川出版社、2006年を刊行した。
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Research Products
(2 results)