2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14310186
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上原 真人 京都大学, 文学研究科, 教授 (70132743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉井 秀夫 京都大学, 文学研究科, 助教授 (90252410)
森下 章司 大手前大学, 人文科学部, 助教授 (00210162)
阪口 英毅 京都大学, 文学研究科, 助手 (50314167)
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Keywords | 古墳時代前期 / 対外交渉 / 紫金山古墳 / 朝鮮 / 中国 |
Research Abstract |
本年度も、紫金山古墳の総合的な調査を進めた。第1に、大阪府教育委員会・茨木市教育委員会の指導・協力をえて、紫金山古墳の墳丘規模・構造を明らかにするための発掘調査をおこなった。その結果、1)後円部・前方部とも、北側斜面にくらべて南側斜面が広く、墳裾の位置も低いこと、2)北側くびれ部裾に接して、横穴系石室を埋葬主体とする後期古墳が築造されたこと、などを明らかにすることができた。 第2に、昭和22年に発掘調査された後円部の竪穴式石榔から出土した遺物についての調査・研究を進め、遺物の実測作業および写真撮影作業を終了して、紫金山古墳出土遺物の全容を把握することができた。また、出土鉄製品に付着した有機物の材質調査、竪穴式石榔内に残存した赤色顔料の分析調査、出土石製品の石材分析調査を依頼し、それぞれ興味深い成果をえた。 第3に、以上の調査成果を検討し、それをもとに古墳時代前期の対外交渉の実態を明らかにするために、昨年度に引き続き研究会を開催した。今年度は、5月29日に阪口が「紫金山古墳出土鉄製品の整理作業中間報告」、9月26日に吉井が「2004年度紫金山古墳の発掘調査(速報)」、秋山美佳(京都大学大学院修士課程)が「紫金山古墳出土の貝釧」、若杉智宏(京都大学大学院修士課程)が「紫金山古墳の埴輪」の題目で発表し、討論をおこなった。 この3年間の調査研究により、古墳時代前期の対外交渉を考える上で重要な古墳の1つである、紫金山古墳の墳丘と出土遺物に関して、基本的な整理と検討を終えることができた。その成果は報告書としてまとめている。また墳丘調査の成果については、日本考古学協会第71回総会研究発表会(2005年5月22日)で口頭発表する予定である。
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Research Products
(4 results)