2002 Fiscal Year Annual Research Report
16世紀以降西洋人の中国語学研究の本献に関する調査・研究
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14310205
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
内田 慶市 関西大学, 文学部, 教授 (60115293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沈 国威 関西大学, 外国語教育研究機構, 教授 (50258125)
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Keywords | 西洋人の中国語研究 / 言語接触 / 宣教師 / 近代キリスト教布教 / 近代中国語 / 文法研究 / 英華書院 / 初期中国語教育 |
Research Abstract |
調査対象となった『小孩月報』におけるイソップの中国語訳は、中国語学史、翻訳史においてきわめて重要な位置を占めている。 また上海図書館で見たものに『廣報』がある。これは『字典集成』(1868、後に第3版=1887において『華英字典集成』と改名)という中国人の手になる最初の英華字典を編纂した〓其照の創刊(1886)した新聞であるが、上海図書館には光緒13年7月27日(1877.9.13、351号)、8月初3日(1887.9.19、355号)、8月初4日(1887.9.20、356号)3部所藏されている。それには、『華英字典集成』の広告も見られる。この他、これまでに恐らく人の目にも触れることが少なかったと思われる資料を1つ紹介しておきたい。つまり『中西通書』(1852年創刊)である。この書は、これまで1854年以降のものは日本やヨーロッパの図書館でも所藏している所があった(関西大学図書館増田文庫にも1860年のものが1冊藏されている)が、今回プリンストン大学図書館に1953年(成豐3年)のものと、1854年(成豐4年)のものが所藏されていることが判明した。 ところで、第5号の沈国威氏の文章中にたとえば、「Wadeの語言自邇集から19世紀の北京語音の特徴を見る」という中国人研究者による研究発表に触れられている。北京では昨年『語言自邇集』の活字本も出版されている。中国におけるこの分野の研究の活発化は歓迎すべきことであるが、しかしその現状を見た時、注意を喚起せねばならないことがある。 つまり、文献に関する書誌学的な基本研究を疎かにしないことである。たとえば北京活字本『語言自邇集』に使われた版本が第1版ではなく、第2版で、それもいくつかの大学の藏本をつき併せたという資料の扱い方に大きな問題があると言わざるを得ない。『或問』における筆者の一連の書誌学的な記述は、その問題を解決しようとする地道な試みである。
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Research Products
(2 results)