2004 Fiscal Year Annual Research Report
意味論を中心に据えたインターフェイスの再構成と日独語の対照可能性
Project/Area Number |
14310214
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森 芳樹 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教授 (30306831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 昌博 鳥取大学, 大学教育総合センター, 講師 (50361150)
田中 慎 千葉大学, 外国語センター, 助教授 (50236593)
中村 裕昭 海上保安大学校, 基礎教育講座, 教授
藤波 努 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教授 (70303344)
吉本 啓 東北大学, 留学センター, 教授 (50282017)
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Keywords | 意味論 / インターフェイス / ダイナミック・シンタック / 時制,モダル,法 / 関係名詞,所有動詞 / 浮遊量化子 / 言語記憶 / 脳科学実験 |
Research Abstract |
従来言語理論の中でモジュールとして取り上げられてきた各部門の間の関係が,新たに意味論を理論構築に際しての参照点とすることによって,どのようにこれまでとは異なった見方で見えてくるかという問題を,実証的な言語研究を通じて明らかにしていこうとする本プロジェクトの主張が正しければ,副産物としてドイツ語の日本語,英語との対照研究が言語理論的含意を持つという主張にも見込みが与えられるはずである。以上に述べた目標を推進するために,本プロジェクトでは、「意味論に通じる統語論」の規定と意味論の世界知識・辞書知識・一般認知処理への接続を同時に問題とし,また(1)意味論と他領域のインターフェイスに関わる具体的な言語上の個別現象の解明を試みながら,(2)意味論を中心に据えたインターフェイスの再構成に関する理論を検討し,(3)類型論を理論構築の参照点としながら,個別現象の諸問題を対照言語学的に取扱い,(2)との整合性を検討した。 昨年度までは上位理論の選定と脳科学実験の可能性を測深していたが,今年度は上位理論をダイナミック・シンタックスに定位するとともに統語・意味処理のコンテクストとの関連に考察を進めた。同時に,脳科学実験に記憶や注意に関する認知科学的意味付けを与えることによって,本プロジェクトの中心である「意味論に中心を据えた言語理論」との接続可能性を見出すことができたと考える。具体的な言語分析では昨年度に引き続き,情報構造,談話構造に関するもの,スコープと統語構造の関連を探る浮遊量化子に関するもの,関係名詞,所有動詞と(不)定性に関するもの,形態とコンテクストの意味的関連を時制,モダル,法に求めるものなどに分かれる。
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Research Products
(7 results)