2003 Fiscal Year Annual Research Report
転換期ロシアの文芸における時空間イメージの総合的研究
Project/Area Number |
14310217
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
望月 哲男 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (90166330)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貝澤 哉 早稲田大学, 文学部, 教授 (30247267)
沼野 充義 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (40180690)
亀山 郁夫 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00122359)
岩本 和久 稚内北星学園大学, 情報メディア学部, 助教授 (40289715)
中村 唯史 山形大学, 人文学部, 助教授 (20250962)
|
Keywords | 時空間 / ロシア / インターテクスチュアル / 異文化接触 / ポストモダニズム / メディア環境 / ソ連文化 |
Research Abstract |
1)以下の個別的視点にそって現代ロシア文芸の時空間意識の分析・性格付けを行った。(カッコ内は主な担当者) 「インターテクスチュアリティと時空間」-古典の応用・加工の問題から現代時空意識の特徴を研究(望月哲男)。 「ソ連文化の時空間」-ソ連文化史の現代的解釈を中心にロシア史の連続性の問題を研究(亀山郁夫)。 「異文化接触の時空間」-亡命世界、国内の異文化共存などロシア的時空間の多元構造を分析(沼野充義)。 「ポストモダニズムの時空」-ポストモダニズム的ロシア文化論から現代歴史観の特徴を分析(貝澤哉)。 「文芸における内部と外部」-境界、越境、闘争などの主題を軸に、ロシア文化の空間意識を分析(中村唯史)。 「メディア環境と文化の時空」-ITの発達・情報の国際化と時空間意識の関係を研究(岩本和久)。 「舞台・映像芸術にみるロシア的時空間」-演劇や映画における時空間意識の比較分析(楯岡求美)。 2)これらの研究をもとに、2003年7月、2004年3月の2回、札幌において現代ロシア文芸の時空間意識をめぐる研究報告会を開催、他の関連研究者を交えて中間報告と相互検討を行った。研究の中間成果は『現代ロシア文芸研究のフロンティアIV』(北大スラブ研究センター、2003年7月)および『現代ロシア文芸研究のフロンティアV』(北大スラブ研究センター、2004年1月)として出版、また『現代ロシア文学データベース』の一部として同センターHPに掲載した。(http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/literature/literature-list.html) 3)ロシア教育学アカデミー・ポリス・ラーニン教授の協力を得て、『現代ロシア作家データベース』の更新を行った。(http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/Writer/windex-e.html) 4)国際学会への参加や外国の研究施設訪問を通じて、海外の関連研究者と交流、意見交換を行った。
|
Research Products
(33 results)
-
[Publications] 望月哲男: "現代風ドストエフスキイ:伝説と加工"スラブ研究センター研究報告シリーズ『現代文芸研究のフロンティア(IV)』. NO.93. 40-64 (2003)
-
[Publications] 望月哲男: "ロシアの北/北のロシア"スラブ研究センター研究報告シリーズ『現代文芸研究のフロンティア(IV)』. NO.93. 89-100 (2003)
-
[Publications] 望月哲男: "社会主義リアリズム論の現在"岩波講座 文学10 政治への挑戦. 93-111 (2003)
-
[Publications] 望月哲男: "いまどきのペテルブルグ小説"ユリイカ. 8. 242-243 (2003)
-
[Publications] 望月哲男: "幻想都市の文学"しゃりばり. 9. 68-73 (2003)
-
[Publications] 望月哲男: "男性作家にみるとっても自己意識的なポストモダニズム"ユーラシア研究29. 29. 33-38 (2003)
-
[Publications] 亀山郁夫: "報復、または白い闇ーーテオ・アンゲロプロス『ユリシーズの瞳』にみる越境性のアポリア"総合文化研究. 7号. 101-107 (2004)
-
[Publications] 亀山郁夫: "犠牲と欲望のドラマトゥルギー"スラヴ文化研究. 3(近刊). (2004)
-
[Publications] 亀山郁夫: "父親殺しの二つの場所"総合文化研究. 7. 176-191 (2004)
-
[Publications] 沼野充義: "ポストモダニズムを超えて--ロシア・東欧における文化的アイデンティティの模索"ロシア・東欧研究. 31. 38-55 (2003)
-
[Publications] 沼野充義: "文学'02"『文芸年鑑 2003』(新潮社)〔単行本所載論文〕. 6-9 (2003)
-
[Publications] 沼野充義: "聖なるものの顕現としての文学--ルーマニアの物語る<宇宙羊>を称えて"ミルチャーエリアーデ『エリアーデ幻想小説全集』〔単行本所載論文〕. 第1巻. 523-547 (2003)
-
[Publications] 沼野充義: "ロシア・ユートピアニズムの詩学"岩波講座 文学8 超越性の文学〔単行本所載論文〕. 第8巻. 133-155 (2003)
-
[Publications] 沼野充義: "あるラディカルな相対主義者の肖像--スタニスワフ・レム論"岩波講座 文学6 虚構の愉しみ〔単行本所載論文〕. 第6巻. 219-239 (2003)
-
[Publications] 貝澤 哉: "襞、そして律動する言葉--アンドレイ・ベールイ『ペテルブルク』を読む"岩波講座 文学/岩波書店. 12. 217-236 (2003)
-
[Publications] 貝澤 哉: "The Formation of the Concept of "National Literature" in Russia and the Works of Aleksandr Pypin"Hayashi, Tadayuki (ed.), The Construction and Deconstruction of National Histories in Slavic Eurasia, Slavic Research Center, Hokkaido University, Sapporo. 169-184 (2003)
-
[Publications] 貝澤 哉: "銀の時代"藤沼貴、水野忠夫、井桁貞義編著『はじめて学ぶロシア文学史』ミネルヴァ書房. 289-334 (2003)
-
[Publications] 中村唯史: "ブリヤートの地でバレエ『麗しのアンガラ』を観て"窓 (ナウカ). 124. 18-21 (2003)
-
[Publications] 中村唯史: "「歴史の上書き」と「文学」「言語」の位置について:現代ロシアのコーカサス表象"スラブ研究センター研究報告シリーズ『現代文芸研究のフロンティア(IV)』. No.93. 18-30 (2003)
-
[Publications] Тадаси Накамура: "О восприятии Л. Толстого в зру Тайсе:точка зрения японких писателей Хироцу Кадзуо и Мсасмунз Хакуте"Япония и Россия : диалог и взаимодйствие кулътур (Сахалинский государственный университет). 125-128 (2003)
-
[Publications] 中村唯史: "遍在する「私」:ヨシフ・ブロツキイの詩学について"山形大学人文学部研究年報. 1. 101-121 (2004)
-
[Publications] 岩本和久: "ガロス=エヴドキモフ『[ヘッド]クラッシャー』"スラブ研究センター研究報告シリーズ『現代文芸研究のフロンティア(IV)』. No.93. 1-7 (2003)
-
[Publications] Kazuhisa Iwamoto: "Hideo Kobayashi and Dostoevsky - an Episode of the 20th Century Literature"Япония и Россия : диалог и взанмодействие культур (Сахалинский государственный университет). 132-134 (2003)
-
[Publications] 岩本和久: "現代ロシア文学に見るソヴィエト後の世界"ユーラシア研究. 29. 27-32 (2003)
-
[Publications] 岩本和久: "ペッペルシテイン『カーストの神話生成的愛』"スラブ研究センター研究報告シリーズ『現代文芸研究のフロンティア(V)』. No.94. 1-9 (2004)
-
[Publications] Kazuhisa Iwamoto: "Yury Olesha and Freudism"Japanese Slavic and East European Studies. 24(刊行予定). 1-17 (2004)
-
[Publications] 岩本和久: "アロン・ザルキントと精神分析"稚内北星学園大学紀要. 4(刊行予定). 23-32 (2004)
-
[Publications] 楯岡 求美: "劇的空間としてのサンクト・ペテルブルグ-目で見る都市散歩"しゃりばり. 12月号. 48-53 (2003)
-
[Publications] 楯岡 求美: "メイエルホリドの演劇性-チェーホフ、コメディア・デラルテとの出会い"講座 文学5 演劇とパフォーマンス(岩波書店). 5. 145-165 (2004)
-
[Publications] 楯岡 求美: "『かもめ』の新しさ"第84回神劇まわり舞台 劇団どろプロデュース『かもめ』公演パンフレット. 3-5 (2003)
-
[Publications] 亀山郁夫: "熱狂とユーフォリア-スターリン学のための序章"平凡社. 540 (2003)
-
[Publications] Мицуёси Нумано(沼野充義)(編): "Теория катастрофы : Современная японская проза"Иностранка(Москва). xxiv+502 (2003)
-
[Publications] 岩本和久: "沈黙と夢-作家オレーシャとソヴィエト文学"群像社. 211 (2003)