2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヨーロッパ文化のアイデンティティと民族意識-多言語・多文化世界のダイナミズム
Project/Area Number |
14310227
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石川 達夫 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (00212845)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木原 浩 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (70116177)
橋本 隆夫 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (20027791)
光末 紀子 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (80031350)
岩本 和子 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (60203410)
藤野 一夫 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (20219033)
|
Keywords | 越境 / 国家意職 / ヨーロッパ意識 / マサリク |
Research Abstract |
今年度は各自の個別的な研究のほか、合同研究会として、小紫重徳氏の「"Translatio Imperii"と国家意識の醸成:ローマからパリへ、そしてロンドンへの里程」(2003年7月9日)を開いた。また、京都大学大学院文学研究科教授・杉本淑彦氏を招聘して、「ナポレオン狂たちのヨーロッパ意識」(2003年11月10日)の題で講演会を開催した。更に、海外調査として、研究代表者の石川がチェコにおける民族文化に関する調査および資料収集のために2003年9月9日から19日までチェコ共和国に行った。 本研究は、1.多言語・多文化地域における文化的葛藤・融合と、2.他の言語・文化圏へと越境していった文化人における文化的越境・融合という、2つの問題に焦点を絞り、ヨーロッパにおける文化的交錯・葛藤・融合の具体的事例の考察を通して、独創的でありながらも高度な普遍性を持つ文化が多言語・多文化世界のダイナミズムからいかにして生み出されてきたのか、ということを明らかにしようとするものだが、今年度は、研究会では特に2に関して考察して討論を行い、講演会では1に関して考察して討論を行った。 今年度は4年計画の研究の前半を終え、各自の研究を深めてきて、研究代表者の石川は本研究に関連する著書(単著)を出した。今年度は特に、多言語・多文化地域としてのヨーロッパにおける国家意識とヨーロッパ意識の諸問題について、意義深い研究と討論を行い、知見を深めることができた。今後、後半の2年で更に研究を深めて、まとまった成果を上げるように努力したい。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 石川 達夫: "マサリクとロシア"窓. 第124号. 12-17 (2003)
-
[Publications] 光末紀子: "クライストの『ペンテジレーア』--ジェンダー論的考察"ドイツ文学論集. 32. 1-22 (2001)
-
[Publications] 岩本 和子: "ベルギーの舞台芸術政策と地方劇場の役割--「ワロニー・ブリュッセル共同体」新体制下のリエージュー"近代(神戸大学「近代」発行会). 92号. 35-57 (2003)
-
[Publications] 三木原 浩: "エリック・ロメール監督の『夏物語』をめぐって--一篇のパストラル"近代(神戸大学「近代」発行会). 91号. 79-103 (2003)
-
[Publications] 藤野一夫: "ドイツの文化マネジメント教育--ハンブルク音楽大学における調査を中心に"アートマネジメント研究(美術出版社). 第4号. 38-51 (2003)
-
[Publications] 藤野一夫: "ドイツ・オペラと境界の政治--スデン宮廷劇場のドイツ部門創設をめぐって"ドイツ文学(日本独文学会). 第110号. 50-65 (2003)
-
[Publications] 石川 達夫: "プラハ歴史散策--黄金の劇場都市"講談社. 221 (2004)