2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヨーロッパ文化のアイデンティティと民族意識-多言語・多文化世界のダイナミズム
Project/Area Number |
14310227
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石川 達夫 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (00212845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木原 浩 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (70116177)
藤野 一夫 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (20219033)
岩本 和子 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (60203410)
内田 正博 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (10151888)
小紫 重徳 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (70007756)
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Keywords | ヨーロッパ / アイデンティティ / 民族意識 / 統一性と多様性 / 文化 / 民族性 |
Research Abstract |
今年度は各自の個別的な研究のほか、合同研究会として、藤野一夫「文化政策的観点から見た文化多様性の問題」(2005年7月22日)を開いた。また、大阪大学大学院文学研究科助教授・伊東信宏氏を招聘して、「ルーマニア音楽』は誰に帰属するのか?--モルドヴァのブラスバンドをめぐって--」(2005年12月13日)の題で講演会を開催した。更に、代表者の石川達夫が2005年8月18日〜9月8日の間、チェコ共和国に出張して、チェコ民族復興運動に関する調査および資料収集を行った。 本研究は、1.多言語・多文化地城における文化的葛藤・融合と、2.他の言語・文化圏へと越境していった文化人における文化的越境・融合という、2つの問題に焦点を絞り、ヨーロッパにおける文化的交錯・葛藤・融合の具体的事例の考察を通して、独創的でありながらも高度な普遍性を持つ文化が多言語・多文化世界のダイナミズムからいかにして生み出されてきたのか、ということを明らかにしようとするものである。今年度の研究会と講演会では、特にヨーロッパの国家や地域と民族や文化の越境性と多様性について議論を深め、ヨーロッパにおいては文化を民族によって規定したり規制したりすることの困難さについて理解を深めた。 今年度は4年計画の研究の最後の年に当たり、研究会の回数は従来より少なくなったが、科研の成果を活字にして公表するため、各自が論文の執筆に力を注ぎ、雑誌等に多くの論文を発表したほか、科研の成果をまとめた論文集に収める論文を執筆した。この論文は、2006年2月に発行された。 本研究全体にわたって、多言語・多文化地域としてのヨーロッパの統一性と多様性およびヨーロッパのアイデンティティの問題について、意義深い研究と討論を行い、知見を深めることができ、その成果を多くの論文や著書として公表することができた。
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Research Products
(11 results)