2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本法のアイデンティティに関する総合的・比較法的研究-源流の法とグローバル化の法
Project/Area Number |
14320005
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
野村 稔 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (90063776)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 眞 早稲田大学, 大学院・法務研究科, 教授 (80114370)
尾崎 安央 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (30139498)
須網 隆夫 早稲田大学, 大学院・法務研究科, 教授 (80262418)
田口 守一 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (80097592)
早川 弘道 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (20063802)
|
Keywords | 遺棄罪 / 日本労働法の国際的背景 / 企業統治 / 保全処分 / EU拡大 / EU法の継受 / 精密私法 / 不公正な取引方法 |
Research Abstract |
各研究分担者は、それぞれの年間研究テーマに従って研究を活発に行った。具体的には、刑事法の分野では、遺棄罪の沿革の調査や刑事訴訟法の日本的特色とされる「精密司法論」の意義と限界の究明がなされた。また、第二次世界大戦後の立法という点で、労働基準法の立法過程からみた日本労働法の特質の検討や原始独占禁止法制定過程における不公正競争方法規制が検討された。一方、新たな破産法制定が見られた本年度において、旧法および外国法制との比較検討がなされ、また世界的な企業統治論の展開が見られるなか、その収斂と分化があることがアジア諸国における企業統治論の展開と欧米日本のそれとの比較研究において指摘された。EU拡大に関連しては、EU拡大における新加盟国における法継受問題の検討とEU拡大を視野に入れたロシア・ハンガリー・チェコ諸国の憲法・政治体制の変動の歴史的源流の探求がなされた。わが国でも議論がなされている21世紀の憲法変動について日独の研究への参加がなされ、またアジアの違憲審査制の発展についての研究などが行われた。 このような共同テーマのもとにおける分担者による個別研究に加え、本年度が共同研究の最終年度ということから、各研究分担者と協議して、まとめのための取り組みについて検討した。報告会を兼ねた合宿を行い、それぞれの研究報告について共同研究分担者との間で意見を交換した。共同研究の成果物として、共同出版物によることが確認され、そのための論文集の構成などが検討された。また、日本法のアイデンティティに関する新たなアプローチや知見を得ることを目的として国際シンポジウム「法のグローバル化と日本法のアイデンティティ」を開催した。報告者には国内外の著名教授を招聘し、それぞれに早稲田大学のコメンテータを付すという方式で開催し、翌日には、招聘教授を囲むスタッフ・セミナーを開催した。
|
Research Products
(6 results)