2002 Fiscal Year Annual Research Report
国際法基礎理論の再構築―「現実主義」的国際法学及び批判法学の批判的検討を通じて―
Project/Area Number |
14320011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大沼 保昭 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (50009825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 志安 駒澤大学, 法学部, 助教授 (40255641)
西海 真樹 中央大学, 法学部, 教授 (50180576)
古谷 修一 香川大学, 法学部, 教授 (50209194)
寺谷 広司 北海道大学, 大学院・法学科, 助教授 (30261944)
川崎 恭治 一橋大学, 大学院・法学科, 教授 (70204708)
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Keywords | 国際法学 / 現実主義 / 現実主義法学 / 批判法学 / 実証主義 / 法実証主義 / 国際研究者交流 / 大韓民国 |
Research Abstract |
本研究は三年連続のプロジェクトであり、研究成果の公表は、三年間の蓄積を踏まえて最後の年に行われる予定である。現段階では、参加者相互のレポート交換という形で成果蓄積につとめているが、他研究会との合同合評会を開催するなどして、その学会への還元も図っている。 本研究会は、既存の法理論では捉え切れない国際現象(例えばテロ組織の拡大)に対応するために、国際法基礎理論の再構築を目指すものである。具体的には、(1)20世紀国際法学の主流をなす法実証主義の意義と限界を見定め、(2)法実証主義に対抗する「現実主義的」国際法学と批判法学をそれぞれ検討しながら、(3)それらに代わる新たな理論形成の方向を探る。そこで本年度は、三回の研究合宿を開催し、主に「現実主義的」国際法学について集中的な研究を行った。 夏合宿と秋合宿はそれぞれ8月、11月に開催され、大沼、古谷、西海、王、川崎、寺谷などの参加を得た。Julius Stoneの代表的著作をテキストとし、参加者全員が事前に詳細なレポートを作成・交換した。合宿では、重要な論点について、自由にディスカッションを行いながら理解を深めた。韓国(釜山大学)から朴培根助教授を迎え、国際的交流も図った。冬合宿は1月に開催された。Prosper Weilのハーグ講義録をテキストにして、Stoneとの比較検討を行った。先のメンパーに国際政治学を専門にする篠田も加わり、多角的な研究を行った。 なお、11月には、東大国際法研究会との合同合評会を開催した。古谷、朴の両名が報告者となり、Julius StoneのOf Law and Nations(1974)を批判的に検討した後、フロアからも参加を募ってディスカッションを行った。 以上の諸成果をふまえ、来年度は引き続きWeilを検討するほか、徐々に批判法学も視野に入れて研究を進めていく予定である。
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