2003 Fiscal Year Annual Research Report
21世紀における武力紛争法の機能変化とその適用範囲
Project/Area Number |
14320013
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
村瀬 信也 上智大学, 法学部, 教授 (80062660)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 桂子 防衛研究所, 第1研究部, 助手
真山 全 防衛大学校, 人文社会科学群, 教授
石本 泰雄 大阪市立大学, 名誉教授 (30046768)
|
Keywords | 戦争犯罪 / 特権免除 / 背信行為 / 人権法 / 国際人道法 / 海洋法 / 海戦法 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き武力紛争法研究会を持ち、多数の研究協力者との意見交換に努めた。具体的には会合を4月と6月の2回開き、各2名ずつ報告を行った。テーマはそれぞれ次のとおりである。「海洋法と海戦法の適用関係について」「国家元首・政府高官の国際法上の特権免除をめぐる最近の動向」、「背信行為と奇計」、「人道法は人権法の特別法か?-統合主義・補完主義の構造転換論から見た再検討」。昨年より開催してきた研究会は、以上の会合をもって終了、また会合とともに昨年来、資料収集、各人割り当てのテーマにつき作業をすすめてきた論文執筆も秋をもって終了した。これをまとめて約1年半にわたる武力紛争法研究会の活動の集大成として合計31の章で構成される論文集を出版する予定である(これについては、現在、平成16年度研究成果公開促進費(学術図書)を申請中である。)科学研究費補助金成果報告書を一部兼ねるこの学術図書が扱うテーマは、武力紛争法の基本原則から、武力紛争に於ける犠牲者(降伏敵国軍人、女性、こども、捕虜、文民等)や環境、文化財)の保護、戦闘方法・手段に関する規制、武力紛争法の法的帰結、中立法、民族解放闘争の問題に加えて、新しい事態への対応として、国際テロリズム、国連部隊の活動なども含め広汎な論点を扱っている。我が国内外において、武力紛争の法的規制という論点がこれまで以上にない関心を集めている中で、必ずしもこの分野の法典化作業は順調に進んでいないことに鑑み、伝統的な戦争法の規則体系が現代の法規制の要請にどのように応えていくことができるかという点を、本研究課題の最重要事項と位置づけ、包括的・網羅的な検討を行った。
|