2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14320022
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
田中 開 法政大学, 法学部, 教授 (10188328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 正仁 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (30009831)
長沼 範良 成蹊大学, 法学部, 教授 (40164454)
寺崎 嘉博 筑波大学, 社会科学系, 教授 (20142672)
池田 公博 神戸大学, 法学部, 助教授 (70302643)
笹倉 宏紀 東京大学, 法学部, 講師 (00313057)
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Keywords | 刑事訴訟法 / 治罪法 / 明治刑事訴訟法 / 大正刑事訴訟法 / 旧々刑事訴訟法 / 旧刑事訴訟法 |
Research Abstract |
本年度は、第一に、治罪法を中心に、国立国会図書館、東京大学、京都大学、神戸大学、東北大学などにおいて、立法関係資料の所在調査・収集を行った.第二に、明治維新以降の刑事訴訟関係立法の変遷につき、収集文献・資料等に基づき、検討を行った。すなわち、治罪法に関して、ボアソナードの起案にかかる草案につき、直訳その他の資料に基づく検討を行うなど、治罪法の制定過程に関し、検討を行った。第三に、明治刑事訴訟法についても、資料の整理を行った。本年度の調査・研究の結果、一定の資料リストが作成されたことが一つの成果であるが、膨大な資料で、しかも現在のように注などのない文献を検討・整理することは思いのほか難しい作業であることを痛感した。しかし、半面において、一種、古典を繙くことにも似た作業であり、明治初期の刑事立法等関係者の思いもうかがわれ、更なる研究の意欲をそそられた。本年度の成果を前提に、来年度は、京都大学や東北大学などにつき、継続して関係資料の調査・収集を行うとともに、貴重な資料の所在の見込まれる、早稲田大学、慶応義塾大学、九州大学、北海道大学などにつき、関係文献資料の所在調査・収集を試みたい。なお、本研究の実施課程において、一つの大きな問題が明らかになった。すなわち、司法省所蔵にかかる、治罪法、明治・大正刑事所訟法関係の、貴重な立法資料が、第二次世界大戦中に、その疎開先において、不幸にも、空襲により焼失したことである。そのため、立法の経緯等については、現存する資料や、当時の立法関係者の手になる書物等から、間接的に推測等せざるを得ない場合のあることも予想される。誠に残念なことである。
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