2002 Fiscal Year Annual Research Report
欧州統合の歴史的再検討:一次史料の多角的分析と体系的総合
Project/Area Number |
14320023
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
遠藤 乾 北海道大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (00281775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 豊 龍谷大学, 法学部, 助教授 (20283385)
戸澤 英典 大阪大学, 大学院・法学研究科, 講師 (20335326)
田口 晃 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30113583)
細谷 雄一 敬愛大学, 国際学部, 講師 (90322784)
上原 良子 静岡英和学院大学, 短期大学部, 助教授 (90310549)
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Keywords | ヨーロッパ統合 / EU / NATO / 経済統合 / 安全保障 / 一次史料 / 戦後ヨーロッパ政治体制 / 歴史の再解釈 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の3点にまとめられる。 1)研究インフラの整備(史料集の類書および一次史料・二次文献の体系的なリスト化と購入) 研究費補助を受ける前から、メールなどのやり取りを通じて、欧州統合史の史料を扱った類書をとりあげ、世界中の図書館から体系的にザーヴェイし、類書リストを作成した。その上で、それらの収集につとめ、ほぼすべての類書を集め終えたといえる。同時に、膨大な関連一次史料・二次文献を整理し、重要だと認められるものから、購入を図った。これらの作業から、基本的な研究インフラが整ったといえよう。 2)研究合宿 メンバーが離れ離れに研究を行っていることから、以下のような内容の合宿を組織し、綿密な討論をおこなった。 ・研究合宿1(札幌、9月):基本的な視角の整理(特に安全保障との関連)、今後の研究の進め方、および収集した類書の検討、ジャン・モネの位置づけ ・研究合宿2(札幌、12月):基本的な視角の拡大(とくに原理思想との関連で)、重要一次史料の整理、農業共同体の位置づけ ・研究合宿3(静岡、3月):基本的な視角の拡大(社会組織・政策との関連)、重要一次資史料の絞込み ・このほかにも、2月に有志で札幌にて集まり、戦後欧州統合史の時期区分について濃密な議論をおこなった。 3)重要史料のデータベース化 この間、類書のサーヴェイから、選定のもととなる史料のデータベース化を進め、ほぼ3000近くの入力・整理を終えた。これは来年度には、目録として出版する予定である。
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Research Products
(19 results)
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[Publications] 遠藤 乾: "思想としてのヨーロッパ統合-あるいは『方法論的ナショナリズム』への懐疑-"創文. 439号. 1-5 (2002)
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[Publications] 遠藤 乾: "ポスト・ナショナリズムにおける正統化の諸問題-ヨーロッパ連合を事例として"日本政治学会編『年報政治学 2001:三つのデモクラシー-自由民主主義・社会民主主義・キリスト教民主主義-』岩波書店、所収. 123-142 (2002)
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[Publications] Ken Endo: "The Security Foundations of Economic Integration : A Comparison between East Asia and Western Europe"Christopher Dent & David Huang, eds., Northeast Asian Regionalism : Learning from the European Experience (Routledge Curzon). 226-242 (2002)
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[Publications] 遠藤 乾: "ようこそ『多元にして可分な共和政』へ-ヨーロッパ連合における主権と外交"外交フォーラム. 168号. 36-41 (2002)
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[Publications] 遠藤 乾: "ポスト主権の政治思想-ヨーロッパ連合における補完性原理の可能性"思想. 945号. 207-228 (2003)
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[Publications] 遠藤 乾: "グローバル化時代の地方ガバナンス、序章"山口二郎・山崎幹根・遠藤乾共編著『グローバル化時代の地方ガバナンス』岩波書店、所収. (近刊). (2003)
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[Publications] 遠藤 乾: "日本における補完性原理の可能性-重層的なガバナンスの概念化をめぐって-、第10章"山口二郎・山崎幹根・遠藤乾共編著『グローバル化時代の地方ガバナンス』岩波書店. (近刊). (2003)
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[Publications] 田口 晃, (福田宏との共訳・解説・解題): "カール・レンナー著『諸民族の自治権』1918年(1)"北大法学論集. 53巻2号. 207-260 (2002)
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[Publications] 田口 晃, (福田宏との共訳・解説・解題): "カール・レンナー著『諸民族の自治権』1918年(2)"北大法学論集. 53巻3号. 131-166 (2002)
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[Publications] 田口 晃, (福田宏との共訳・解説・解題): "カール・レンナー著『諸民族の自治権』1918年(3・完)"北大法学論集. 53巻5号. 285-317 (2003)
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[Publications] 戸澤英典: "EUの「科学」に関する諮間体制-BSEとECHELONのケースを中心に"阪大法学. 52巻3・4号. 833-864 (2002)
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[Publications] 橋口 豊: "ベトナム戦争とコモンウェルス・ミッション構想-1965年ウィルソン政権の和平外交-"佐々木雄太編『イギリス帝国と20世紀』ミネルヴァ書房、所収. (近刊). (2003)
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[Publications] 上原良子: "ヨーロッパ統合支持派は統合に何を見たのか?"創文. 449号. 16-20 (2002)
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[Publications] 上原良子: "フランス人はアメリカ人になれるのか?-戦後フランスにおける経済の「近代化」とアメリカニゼーション"油井大二郎、遠藤泰男編『浸透するアメリカ 拒まれるアメリカ』東京大学出版会、所収. (近刊). (2003)
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[Publications] 細谷雄一: "トニー・ブレアの『新世界秩序構想』とイギリスの「新しい役割」"外交フォーラム. 167号. 50-55 (2002)
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[Publications] 細谷雄一: "『外交官』の誕生『外交フォーラム』"外交フォーラム. 175号. 81-87 (2003)
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[Publications] 細谷雄一: "『旧外交』の黄昏"外交フォーラム. 176号. 78-84 (2003)
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[Publications] 遠藤 乾, (山口二郎, 山崎幹根と共編著): "グローバル化時代の地方ガバナンス"岩波書店(近刊). (2003)
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[Publications] 細谷雄一(共著): "ヨーロッパ国際関係史 繁栄と凋落、そして再生(渡邊啓貴(編))"有斐閣. 330 (2002)