2004 Fiscal Year Annual Research Report
国会運営と立法行動の長期的変化に関する理論的・実証的研究-制度変化と行動変化-
Project/Area Number |
14320024
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川人 貞史 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10133688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 孝治郎 学習院大学, 法学部, 教授 (50137890)
増山 幹高 成蹊大学, 法学部, 教授 (50317616)
待鳥 聡史 京都大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (40283709)
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Keywords | 国会 / 法案分析 / 空間モデル / 国会中心主義 / 議院内閣制 / 内閣提出法案 / 議員提出法案 / 内閣不信任 |
Research Abstract |
1.国会運営ルールの形成と変化 (1)国会制度の形成・変容とその政治的帰結を分析する研究を本にまとめた. (2)前年度に研究協力者の福元と作成したデータベースを基礎に,国会における両院間調整の特徴を分析した共著による学会報告論文を執筆し,衆議院の優越が条件付きにとどまることを示した. 2.立法案件データの作成 (1)第119回〜141回国会の内閣提出法案審議状況は,書籍やホームページではまとまった形で整理されておらず,これらを一覧形式で資料としてまとめ,研究者の利用に供するために論文として公刊した. (2)両院の議決が異なり両院間調整に至った議案についてのデータを,閣法だけではなく,衆法・参法についても完成させ利用可能な状態とした. 3.国会運営の制度と立法行動を説明するための理論と実証 (1)国会中心主義と議院内閣制という2つの国会制度が矛盾し,対立することを,空間モデルを活用して分析した. (2)国会運営の制度分析を行う際に,諸外国や地方の議会との比較という視座を導入する意義を示した論文を執筆した. (3)内閣提出法案と議員提出法案の立法過程を法案個々の成立確率という意味において比較し,権力の集中と分散を規定する国会の憲法構造的作用を戦後の長期的な時系列変化という観点から検証する論文の執筆,学会報告を行った. (4)55年体制成立後の内閣提出法案に関する与野党の賛否状況を分析し,参議院において与党が多数を維持できなくなった1990年代において,野党が内閣提出法案に反対しなくなっていることから,立法の責任所在が与野党で不明確になってきていると論じる学会報告を行った. (5)日本の国会と内閣の関係を概説し,内閣が選挙や立法においてリーダーシップを発揮する状況を分析した論文を公刊した.
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Research Products
(6 results)