2002 Fiscal Year Annual Research Report
政治腐敗・クライエンテリズムに関する比較政治学的研究
Project/Area Number |
14320029
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河田 潤一 大阪大学, 法学研究科, 教授 (00104729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正弥 千葉大学, 法経学部, 助教授 (60186773)
加藤 淳子 東京大学, 総合文化研究科, 助教授 (00251314)
小川 有美 千葉大学, 法経学部, 助教授 (70241932)
村上 信一郎 神戸市外国語大学, 外国学部, 教授 (10305675)
田中 善一郎 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (30009823)
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Keywords | 汚職 / 腐敗 / クライエンテリズム / 恩顧主義 / ソーシャル・キャピタル(社会資本) / 派閥 / 自由民主党(日本) / キリスト教民主党(イタリア) |
Research Abstract |
平成14年度は、各分担者が各々の研究領域に関する資料・文献を最大限収集し、先行研究の整理・分析・検証を行い、その結果を研究会を通して報告・相互確認し合った。第1回研究会では研究代表者・河田による本科研費研究のテーマとその意図に関して包括的な説明が行われた。第2回研究会では、各研究分担者が、それまでに収集した文献をベースに分担テーマに関する学界の現況、各自の研究枠組み・内容等について報告を行い合い、同時に比較研究のための分析枠組みの共有化を模索した。第3回研究会では、研究分担者でもある小林正弥氏が、氏が独自に貢献している「公共哲学」研究の視点から「政治的恩顧主義と政治的腐敗の関係」について、またゲスト・スピーカーとして横田正顕氏(立教大学非常勤講師)を迎え、「クライエンテリズム論の今日的位相」についての有益な報告が行われた。海外共同研究者(Carol Mershon, Choel Hee Park)を含めた第4回研究会[報告内容は以下。Juncihi Kawata, Some Remarks on Political Corruption and Clientelism ; Carol Merson & Junko Kato, Internal Party Organization in the Christian Democrats and Japanese Liberal Democrats : Factional Competition for Office, Clientels, and Corrupt Exchange ; Choel llee Park, Clientelism ' Electoral Connection and Its Policy Effects ; Zenichiro Tanaka, Patterns and Structures of Corruption in Japan ; Ariyoshi Ogawa, Social Capital, Clientelism and Institution-Building in European Peripheries]では、最新の現地事情や研究動向のフォローがいっそう可能となり、また意見交換を通じてテーマに関する多面的な理解が促進された。第5回(最終)研究会には、ゲスト・スピーカーの杉谷剛氏(中日新聞社会部・調査報道担当記者、『破綻国家の内幕』[角川書店、2002年]の編著者)が、「なぜ改革を阻むのか-抵抗勢力の実態」というテーマの下、公共事業を中心とした政官業癒着の生々しい報告を得ることができた。来年度は、以上の成果を基に、各分担者の研究のいっそうの発展・深化を目指したい。
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