2005 Fiscal Year Annual Research Report
産学連携の日米比較:ナショナルイノベーションシステム(NIS)の視点から
Project/Area Number |
14330031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 晃 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (20054380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 靖憲 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (80238229)
山口 栄一 同志社大学, 大学院ビジネス研究科, 教授 (30367974)
伊地知 寛博 一橋大学, イノベーション研究センター, 助教授 (40344072)
鎗目 雅 文部科学省科学技術政策研究所, 主任研究官 (30343106)
矢崎 敬人 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(特任助手) (10345150)
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Keywords | ナショナルイノベーションシステム / 産学連携 / 技術移転経路 |
Research Abstract |
ナショナルイノベーションシステム(NIS)を研究フレームワークとして、産学協力関係を取り巻く一連の課題に対する包括的な調査研究を実施した。本年度行った作業のうち主要なものは次の通りである。 第一に、大学教員による研究活動全般及び学外研究者との協力の実態と成果、またこれらの過去5年間の変化を把握するために、全国の大学の医薬系教員を対象とする質問票調査(サンプル調査)を完成させ、既に実施している東京大学の工学系・医薬系教員を対象とする調査(全数)、他大学の工学系教員を対象とする調査(サンプル調査)と合わせ、結果を分析した。中小企業との協力活動が増加していること、大学で生み出された技術のフォーマルな形での活用(特許化、ライセンシング)が増加している一方で、旧来からの形の大学・産業間協力も減少していないこと、研究プロジェクト選択の際に成果の商用化可能性を考慮することが増加していること等が明らかになってきている。 第二に、大学研究者の研究活動や産業との協力関係を定量的に把握するための、論文公刊活動と特許出願活動についての計量分析を、対象を東京大学医薬系教員に拡大して進めた。特許広報のテキストデータベース(1992年〜2001年)と論文データベース(1992年〜2001年)を活用した。 第三に、日本の代表的電機メーカー、製薬メーカーにおける論文公刊・特許出願・特許における論文の引用についてのデータを分析することを通じ、企業が大学における科学技術研究をどのように受け入れ、どのように活用しているかを分析し、企業側から見た産学協力関係の役割を検討した。 第四に、光触媒の研究開発に対するネットワーク分析と医療医薬分野の詳細なケース・スタディーを行い、産学連携のベスト・プラクティスを抽出した。 第五に、NISを構成するアクター間の知識の移転の経路の一つである特許制度に光を当て、どのような制度が知識の生産と移転普及に適しているかについて検討した。 これら研究の成果は、内外の学会等で報告するとともに、学術誌に公刊している。また研究全体を書籍の形に取りまとめて公刊する予定である。
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Research Products
(7 results)