2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340009
|
Research Institution | Graduate School of Mathematical Sciences, University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 秀司 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50153804)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 毅 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70201506)
桂 利行 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (40108444)
宮岡 洋一 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (50101077)
|
Keywords | 代数的サイクル / モチフィックコホモロジー / 高次元類体論 / p進Hodge理論 / 加藤予想 / Chow群の有限性 / 高次Abel-Jacobi写像 / 高次Chow群 |
Research Abstract |
当該研究は次の3つの部門からなる。(I)高次元類体論とモチフィックコホモロジー、(II)数論的代数多様体上の代数的サイクルのp進Hodge理論を用いた研究、(III)複素多様体上の代数的サイクルのHodge理論を用いた研究。以下、今年に成果の挙がった(I)について説明する。 (I)モチフィックコホモロジーとは、代数体の整数環のイデアル類群や単数群、代数多様体のChow群などを一般化したもで、数論的多様体のL-関数とも密接に関連する重要な研究対象である。これにたいする重要な未解決問題として数論的多様体のモチフィックコホモロジーの有限性予想がある。これは、代数体のイデアル類群が有限であること、あるいは代数体の整数環の単数群が有限生成であるという古典的な基本定理の高次元版である。この予想については、これまで上述の1次元の場合を除いて殆ど肯定的な結果はなかった。最近のJannsen氏との共同研究により、この問題に対する一般的なアプローチを発見した。基本的なアイデアは上述の予想を加藤予想と関係付けることである。加藤予想とは、上述の問題とはまったく別のコンテクストにおいて加藤和也氏により1986年に提出された予想である。加藤氏は、有限体上の射影的で滑らかな多様体X、あるいは整数環上のregular proper flatなスキームXにたいし、ある数論幾何的な不変量KH_q(X)(q【greater than or equal】0)を定義して、これがq=0以外では消えていることを予想した。Xが有限体上の曲線、あるいは代数体の整数環のスペクトラムの場合の加藤予想は、有限体上の一変数関数体あるいは代数体Kのブラウアー群に関する古典的類体論の基本事実(K上の中心的単純環にたいするHasse原理を含む)に同値である。当該研究の成果は、加藤予想を「適当なスキームの圏上で定義される一般的なホモロジー理論に付随するBloch-Ogusスペクトラル系列のE^2項の適当な条件のもとでの消滅定理」という一般的枠組みにおいて考察し、特異点の解消を認めたうえで加藤予想を解決することに成功したことである。
|
Research Products
(5 results)