2004 Fiscal Year Annual Research Report
複雑系現象の異常検出とモデル導出の時系列解析と導出したモデルの確率過程論的研究
Project/Area Number |
14340030
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡部 靖憲 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (30028211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳川 堯 久留米大学, バイオ統計センター, 教授 (80029488)
室田 一雄 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (50134466)
井上 昭彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50168431)
堀田 武彦 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (90222281)
松浦 真也 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助手 (70334258)
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Keywords | KM_2O-ランジュヴン方程式 / 揺動散逸定理 / 定常解析 / 異常解析 / 決定解析 / 深部低周波地震 / 大脳皮質脳波 / 分離性 |
Research Abstract |
離散時間の確率過程に対するKM_2O-ランジュヴァン方程式論と非線形情報空間に付随する任意の生成系を用いて,二つの離散時間の確率過程に対する非線形推定を求める公式を求めた.それを具体的な信号過程と観測過程からなる非線形なシステムに応用し,Kalman-Bucyの研究以後未解決であった非線形推定問題を非線形推定子を求めるアルゴリズムを求める形で解決した. 離散時間の確率過程の非線形情報空間に対する生成系として,ハールウエーブレットを用いた生成系を構成し,黒点・株価等の時系列に対する定常解析・異常解析・予測解析を行った.特に,黒点の時系列に対しては,多項式型の生成系とは異なり,定常性を通過し,将来の谷と山の動きを長期にわたって良く予測できる事が分かった. 時系列データの異常性を定常性の破れと定義し,KM_2O-ランジュヴァン方程式論に基づく時系列データの定常性の検証Test(S)と離散時間の確率過程の非線形情報空間に付随する多項式型の生成系を用いて,時系列データの異常性の兆候を検出する異常性の検出Tst(ABN)を提唱した.特に,株価の異常性を示す恐慌(ブラックマンディ・アジア危機・ITバブル)に適用し,Test(ABN)が有効であることを実証した論文を発表した.さらに,Test(ABN)を地震波の時系列データに対して適用し,P波とS波が到達する前兆を検出できる論文を投稿中である. Test(ABN)とTest(D)を地震波,オーロラ,磁気嵐と脳波の時系列に適用したとき,深部低周波地震波のS波が到着してからの定常な時間域,オーロラ・磁気嵐が発生した後の定常な時間域と大脳皮質からとった脳波の時系列(ECoG)の到る所に「分離性」という全く新しい性質を発見した.この性質は通常の地震の時系列と頭皮からとった脳波の時系列(EEG)ではどこにも現れない.
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Research Products
(7 results)