2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340039
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
谷島 賢二 学習院大学, 理学部, 教授 (80011758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 周 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50183520)
藤原 大輔 学習院大学, 理学部, 教授 (10011561)
水谷 明 学習院大学, 理学部, 教授 (80011716)
渡辺 一雄 学習院大学, 理学部, 助手 (90260851)
下村 明洋 学習院大学, 理学部, 助手 (00365066)
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Keywords | 量子力学 / シュレーディンガー作用素 / 分散型評価 / 経路積分 / 停留位相法 / 平滑化作用 / 特異性伝播 / スペクトル |
Research Abstract |
昨年度に引き続いて量子物理学に現れる線形・非線形偏微分方程式あるいは自己共役作用素について様々な角度から研究を行った。16年度中における研究業績は以下のようである。 (1)研究代表者谷島はシュレーディンガー方程式の解の正則性に関してポテンシャルが無限遠方で二次関数より速い次数のべきで程度に増大する場合,解はほとんどすべての時間で初期値に比べて次数分の1階よけいに空間変数にについて微分できることを示した。またポテンシャルが無限遠方で減少する時,作用素が閾値に固有値あるいはレゾナンスを持つ場合の分散型評価を初めて与えた。 (2)分担者藤原は、熊ノ郷が導入した一般の汎関数を被積分汎関数とするFeynman経路積分の収束の証明を、区分的古典軌道による近似を使って明晰にした。また、大次元空間での停留位相法の剰余項の評価を改良した。その結果、Feynman経路積分の準古典近似の第2項を表現する一般的な公式を得た。これは多分新しい公式と思われる。特殊な場合はBirkhoffの結果と一致する。 (3)分担者中村は主にシュレーディンガー方程式の解の超局所的特異性について研究した。無限回微分できる関数のクラスでの超局所的平滑化作用を、特異性の伝播定理に近いかたちで精密化し、ほぼ最善に近い仮定の下で証明した。また、解のこの関数のクラスでの波面集合を初期値を用いて特徴づけた。改良された超局所的平滑化作用については、解析的特異性に関しても同様の結果が成り立つことを示した(A.Martinez, V.Sordoniとの共同研究) (4)分担者下村は非線形シュレーディンガー方程式や非線形波動方程式など分散型非線形偏微分方程式に対する初期値問題の解の適切性や散乱理論、ならびにこれらの方程式の連立方程式系に対する散乱理論を研究し、とくに低次元で解の減衰度の低い空間やポテンシャルが長距離の場合における波動作用素の存在ならびに完全性に関するあらたな結果をえた。 (5)分担者渡辺はポテンシャルが実ではなく自己共役にならないシュレーディンガー作用素のスペクトル構造を研究していわゆる可解モデルに対する構造定理をえた。さらにこの結果の非線形方程式への応用を行った。
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Research Products
(7 results)