2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340052
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
辻井 正人 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20251598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅岡 正幸 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10314832)
宍倉 光広 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70192606)
國府 寛司 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50202057)
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Keywords | カオス / 力学系 / 部分双曲力学系 / エルゴード理論 |
Research Abstract |
(1)部分双曲力学系の研究と(2)エルゴード理論における関数解析的手法について研究した.(1)部分双曲力学系については2次元の閉多様体上の部分双曲力学系にはgenericに有限個のエルゴード的な測度が存在して、ほとんど全ての初期点について軌道の漸近分布がそれらの測度のいずれかに一致するという基本的な性質が成り立つことを証明した結果を論文"Physical measures for partially hyperbolic surface endomorphisms"として発表した.これは2次元の部分双曲力学系についての基本的な結果であり、3次元以上でどうなるかが今後の重要な課題である.また、この結果の本質的な部分は論文"Fat solenoidal attractors"(Nonlinearity 14(2001),No 5,1011--1027)の面積拡大的アノソフ写像におけるSBR測度の絶対連続性についての結果であるが、その結果を拡張して、SBR測度の密度についての精密な結果やスペクトル的な性質についての結果を与えた.(2)については、V.Baladi氏との共同研究で、Blank, Keller, Liveraniによる先駆的な結果をもとに、アノソフ力学系において「非等方的ヘルダー関数」や「非等方的ソボレフ関数」という超関数のクラスを導入し、それらの関数空間への作用を研究してそのスペクトルが「擬コンパクト性」と呼ばれる性質を持つことを証明し、その本質的スペクトル半径について写像の滑らかさと拡大縮小率による評価を得た.これについては現在論文を準備中である.
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Research Products
(3 results)