2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340057
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
隠居 良行 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (80243913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 秀一 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (70144631)
小川 卓克 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20224107)
小林 孝行 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (50272133)
井口 達雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20294879)
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Keywords | Oberbeck-Boussinesq方程式 / Naveir-Stokes方程式 / 安定性 / 漸近挙動 |
Research Abstract |
隠居はドイツのM.RuzickaおよびG.Thaeterと熱対流現象を記述するある種の非斉次非圧縮Navier-Stokes方程式系に対して弱解の時間大域存在を証明し,そのOberbeck-Boussinesq極限を考察した.隠居と小林は,半空間における圧縮性Navier-Stokes方程式の密度が一定な静止状態を表す定常解の安定性解析を行い,線形化問題の解公式を提示した.この解公式を用いて線形化問題の解の漸近挙動の詳細な解析を行い,解の長時間後の挙動が拡散波動部および非定常Stokes方程式の解の和によって記述されることを示し,解の減衰評価として最良のものを得た.さらに線形化問題の詳細な解析と重み付きエネルギー法とを組み合わせて,非線形問題の解の時間無限大での漸近挙動を解析し,撹乱の減衰の速さの評価を得,そのうえ境界面の影響による非線形相互作用が起きることを示唆する評価も得た.川島は空間$n$次元の粘性的保存則方程式に対し、$L^p$型のソボレフ空間$W^{1,p}$におけるエネルギー法を開発し、解の$W^{1,p}$ノルムに対する最良の時間減衰評価を示した.また川島は空間$n$次元の緩和的双曲型保存則系に対して、エントロピー関数の数学的定義を与え、それに基づき系の消散的構造を明らかにするとともに、系が消散的対称双曲型系の正準形に帰着されることを示し,さらに,その消散的効果と安定性条件の下で、$L^2$型ソボレフ空間に属する小さい時間大域解の存在を示した.小林はMaxwell方程式,Stokes方程式の解の界面正則性を考え,解の法線方向成分が一階上の正則性を持つための十分条件を示した.小川は,複素係数を持つ2次元Ginzburg-Lancdau方程式の弱解を考察し,その解の一意性と粘性係数がゼロになる極限で非線形Schroedinger型方程式のenergy弱解に収束することを証明した.また,小川は2次元定数係数消散型波動方程式の解の$L^p$-$L^q$型評価を示し、それを用いて2次元半線形消散型波動方程式の解の漸近形を優臨界指数の場合に決定した.さらに小川は平均曲率流方程式を等高面の方法で考え、そのBence-Merrimen-Osher型の数値解析アルゴリズムの解への収束を粘性解の方法により証明した.
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Research Products
(10 results)