2003 Fiscal Year Annual Research Report
X線時間変動の観測を通した超巨大ブラックホールの基本計量測定
Project/Area Number |
14340061
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林田 清 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30222227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根来 均 理化学研究所, 研究員 (30300891)
粟木 久光 愛媛大学, 理学部, 助教授 (30252414)
井上 一 宇宙科学研究所, 高エネルギー天体物理, 教授 (40092142)
伊予本 直子 日本学術振興会, 特別研究員
片岡 淳 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (90334507)
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Keywords | ブラックホール / 活動銀河核 / X線時間変動 / 時系列解析 / ジェット / クェーサー |
Research Abstract |
本研究の目標は、活動銀河核のX線時間変動を通して超巨大ブラックホールの質量などの基本計量を推定することにある。今年度の主な成果をあげると以下のようになる。1)低光度活動銀河核NGC1569をChandra衛星で観測し、変動するX線源を複数発見した。これらが我々の銀河系内にみられる連星系ブラックホールなのか、あるいは巨大ブラックホール(あるいはその成長期)なのか結論することはできないが、他の銀河でも同様なX線源がみつかるはずで今後の系統的な研究が期待される。2)セイファート2型銀河NGC6300のX線時間変動を観測し、この変動からブラックホール質量を2.8x10^5太陽質量とみつもった。時間変動の解析結果はセイファート2型銀河がセイファート1型銀河と本質的には同等であるという統一モデルを支持する。3)MCG-6-30-15の広がった鉄輝線は通常、降着円盤の内縁付近から発する蛍光だと考えられている。これに対し、X線時間変動の立場から、電離した吸収体によるという別の解釈を提案した。4)ブレーザーとして分類される活動銀河核は、我々の方向に向かってくるジェットからの放射が強調されて観測されている。我々は、ブレーザーの時間変動についてX線長期観測のデータをジェットの内部衝撃波モデルで説明することを試みた。5)電波銀河3C15にX線ジェットを発見した。他波長とあわせたスペクトル解析と様々な放射モデルを比較し、いずれの場合においても電子が超高エネルギーまで加速されていなければならないことを示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] J.Kataoka et al.: "Chandra discovery of an X-ray jet and lobes in 3C 15"Astronomy and Astrophysics. Vol.410. 833-845 (2003)
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[Publications] K.Hayashida: "X-ray Variability of AGNs and its Use as a Black Hole Scale Measure"Coevolution of Black Holes and Galaxies, from the Carnegie Observatories Centennial Symposia. http://www.ociw.edu/ociw/symposia/ series/symposiuml/proceedings.html (2004)
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[Publications] K.Heike, H.Awaki, Y.Misao, K.Hayashida, K.A.Weaver: "Discovery of Bright, Variable X-Ray Sources in NGC 1569 with Chandra"The Astrophysical Journal. Vol.591. L99-L102 (2003)
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[Publications] T.Miyaji et al.: "ASCA Observation of Unusually X-Ray-Hard Radio-Quiet QSO Kaz102"Publications of the Astronomical Society of Japan. Vol.55. L11-L15 (2003)
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[Publications] H.Inoue, C.Matsumoto: "Another Interpretation of the Disk-Line Profile for the Seyfert 1 Galaxy MCG-6-30-15"Publications of the Astronomical Society of Japan. Vol.55. 625-629 (2003)
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[Publications] C.Tanihata, T.Takahashi, J.Kataoka, G.M.Madeiski: "Implications of Variability Patterns Observed in TeV Blazars on the Structure of the Inner Jet"The Astrophysical Journal. Vol.584. 153-163 (2003)