2002 Fiscal Year Annual Research Report
重ストレンジネス核によるハイペロン-ハイペロン相互作用の実験研究
Project/Area Number |
14340069
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
仲澤 和馬 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (60198059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三津原 正勝 岐阜大学, 教育学部, 教務員 (80324276)
川崎 守 岐阜大学, 教育学部, 教授 (60135176)
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Keywords | ダブルハイパー核 / ダブルストレンジネス / KEK-E373 / エマルションハイブリッド実験 / 全自動探索システム |
Research Abstract |
重ストレンジネス実験の解析を、当初の計画通り進めることができた。具体的には、1.共同研究者である韓国の解析システムの立ち上げとΞ^-粒子静止事象検出を開始できた。 2.スキャナー雇用による恒常的なΞ^-粒子静止事象検出を実施できた。 上記により、全体の50%の解析を予定通り終了し、新たに一例の重ストレンジネス核候補の検出に成功した。この事象の解析にあたり、崩壊に伴って放出される粒子の画像からそれぞれの放出角度を求めるプログラムを完成させた。現在、その結果をもとに、運動学的な解析を実施中である。また、Ξ^-粒子静止事象のバックグラウンドとなる、π^-粒子の静止に起因する事象を、統計的に見積ることに成功し、実騨の当初目標である10^3個のΞ^-粒子静止事象の蓄積の確証を得ることに成功した。 一方、研究支援者の雇用により、全自動探索システムの構築に目処が立った。平成15年度中には、種々のテストの後実用化をはかり、残り50%の検出を1年間で終了できるものと考えている。 さらに平成14年度には、飛程-エネルギー関係の較正を目的としてK^-粒子静止事象を乾板中に蓄積したので、上記の全自動探索システムを利用して、現有の原子核乾板での飛程-エネルギー関係をチェックすることができると考えている。 最後に、オンライン生産による乳剤のテストを行い、荷電粒子静止能(stopping Power)など、現存する乳剤と大差ないことを確認した。原子核乳剤のコストの大幅な(約50%)低下をもたらすと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Takahashi, K.Nakazawa, et al.: "Scintillating-fiber-block detector for studying double-strangeness nuclei"Nuclear Instruments and Method in Physics Research. A483. 689-697 (2002)
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[Publications] KAZUMA NAKAZAWA: "SYSTEMATIC STUDY OF DOUBLE STRANGENESS SYSTEM BY EMULSION-COUNTER HYBRID METHOD"Modern Physics Letters ; The Second Asia-Pacific Conference on Few-Body Problems in Physics, edited by D.Z.Jiang et al.. A18, No.2-6. 116-119 (2003)
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[Publications] H.Takahashi, K.Nakazawa, et al.: "Observation of Double-Hypernuclei and Λ-Λ Interaction"Nuclear Physics ; Proceedings of the XVIth International Conference on Particles and Nuclei (PANICO2),Osaka. A,(in press). (2003)
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[Publications] 高橋仁, 仲澤和馬他: "E373実験の現状"素粒子論研究「ストレンジネス核物理最前線」研究会報告. 106巻2号. B29-B31 (2002)
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[Publications] 今井憲一, 仲澤和馬他: "S=-2実験のこれまでと今後-E964ダブルハイパー核実験-"素粒子論研究「ストレンジネス核物理最前線」研究会報告. 106巻2号. B32-B34 (2002)
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[Publications] 今井憲一, 仲澤和馬他: "-E964ダブルハイパー核実験-"KEK proceedings[ストレンジネス核物理の最近の展開」研究会報告. 2002-29. 7-10 (2003)