2003 Fiscal Year Annual Research Report
ファイ中間子光生成による多重グルーオン交換過程の研究
Project/Area Number |
14340075
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 貴志 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (80212091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅谷 頼仁 大阪大学, 理学研究科, 助手 (80324747)
堀田 智明 大阪大学, 核物理研究センター, 助手 (30332745)
藤原 守 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (00030031)
保坂 淳 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (10259872)
土岐 博 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (70163962)
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Keywords | ファイ中間子 / 光生成 / ポメロン / グルーオン / グルーボール / レーザー電子光 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ファイ中間子光生成の微分断面積、スピン偏極量を閾値から2.4GeVの光子エネルギー領域で精密測定し、多重グルーオン交換過程を解明することである。ファイ中間子はほぼ100%ストレンジクォークと反ストレンジクォークで構成されているため、通常のクォークのみで構成されている核子との散乱において、中間子交換過程が強く抑制される。そのため高エネルギー領域では小さくて見えない0^+グルーボール交換の寄与を生成閾値エネルギー領域で探索することができる。その際、SPring-8の8GeV蓄積電子ビームとレーザー光の逆コンプトン散乱による直線偏光ビームを用いると、偏光方向とファイ中間子からの荷電K中間子対崩壊方向の相関を見ることにより、ナチュラルパリティ交換過程(ポメロン交換、0^+グルーボール交換)とアンナチュラルパリティ交換過程(中間子交換)を分離することができるので極めて有効である。平成15年度は現在までに取得したデータの解析を行い、超前方の微分断面積がビームエネルギー2GeV付近で極大になることを発見した。同時に測定したスピン偏極量がナチュラルパリティ交換過程の優勢を示しているため0^+グルーボール交換の寄与がある可能性が大きい。現在、結果を論文にまとめつつある。
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