2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340077
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
園田 英徳 神戸大学, 理学部, 助教授 (20291966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 青司 神戸大学, 理学部, 教授 (80201870)
播磨 尚朝 神戸大学, 理学部, 教授 (50211496)
久保木 一浩 神戸大学, 理学部, 助教授 (50231296)
西野 友年 神戸大学, 理学部, 助教授 (00241563)
坂本 眞人 神戸大学, 理学部, 助手 (30183817)
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Keywords | 厳密繰り込み群 / ゲージ理論 / カイラル対称性 / 密度行列くりこみ群 / テンソル積変分法 / f電子系 / 磁気異方性 |
Research Abstract |
今年度の研究成果は以下のとおりである。 (i)ゲージ理論の厳密繰り込み群による定式化(園田ほか)---一番簡単なゲージ理論であるQEDの厳密繰り込み群による定式化を完成した。(未発表)電子の場のoff shellの取り扱いに、厳密繰り込み群ならではの特長がでるカイラルQEDへの拡張は、未完成である。アノマリーが1loopで存在しなければ、all orderでWard identityをが保証されること(いわゆるアノマリーの非繰り込み定理)を厳密繰り込み群をつかって、帰納的に証明したいのだが、完成にはもうすこし時間が必要である。フェルミオンがある場合の非アーベルゲージ理論も、QEDとほとんど同じように厳密繰り込み群で定式化することができる。この場合も、アノマリーの非繰り込み定理の証明は、今後の課題である。また研究には間接的にしか関係しないが、園田は10月にモンゴルの科学アカデミー物理学研究所で、繰り込み群の啓蒙特別講義を6回行い、その講義録をKOBE-TH-04-08にまとめた。 (ii)密度行列繰り込み群の発展(西野ほか)---密度行列繰り込み群の方法を変分法の立場から研究した。テンソル積変分法を使った数値計算のほかに、いままでの念願であった3次元系への応用も試み、すくなくとも定性的には信頼のおける成果を得ることができた。(論文4 A.Gendiar, T.Nishino) (iii)研究支援者の瀧本哲也は、f電子系による磁気異方性について、特に群の表現論を応用した研究をした。群論を使うことによって、導入しなければならないパラメタが整理されて、半定量的には実験結果を説明できる結果を得ることができた。物性理論に独特な群論の使い方は、素粒子論の研究者には印象的であった。 (iv)本研究に参加する研究者全員と大学院生による繰り込み群の勉強会は、本年度前期にほぼ隔週で行い、その活動報告をhttp://www.phys.sci.kobe-u.ac.jp/~sonoda/RG/に掲示した。
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