2004 Fiscal Year Annual Research Report
Kπ粒子の散乱長測定による非摂動領域におけるQCDの検証-発展DIRAC実験-
Project/Area Number |
14340079
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
竹内 富士雄 京都産業大学, 理学部, 教授 (40121537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 憲志 京都産業大学, 理学部, 教授 (90093385)
小林 正明 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 名誉教授 (40013388)
千葉 雅美 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60128577)
吉村 喜男 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 名誉教授 (50013397)
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Keywords | DIRAC実験 / π^-π^+原子 / Κπ原子 / ハドロニック原子 / CERN PS / 非摂動領域でのQCDの検証 / シンチレーティングファイバーホドスコープ / トポロジカルトリガーデバイス |
Research Abstract |
本研究の目的はCERN PSにおけるDIRAC実験を遂行する事によって,π^-とπ^+がクーロン力で束縛されたπ^-π^+原子の崩壊寿命を直接測定し,π中間子のs波散乱長を求め,これをカイラル摂動理論で計算した散乱長と5%以内の精度で比較することにより非摂動領域でのQCDの検証を行うことである. 1998年に新しいこの実験のためのビームラインが完成後徐々に装置を改良し,又プライマリビーム強度を上げながらデータの取得を行ってきた. 現状で,得られたデータの質は良く,2000-2003年に取得したデータについての解析は順調に進み,現在π^-π^+原子の崩壊寿命に関する論文を用意している所である.実験結果並びに実験装置については国際学会等で報告しており,また論文も発表してきている.本年度も亦上記に平行して種々の技術的な改良を行ってきた. 来年度から開始する予定のKπ原子の寿命測定の為の準備を色々行った.2004年12月にはDIRAC実験の延長が正式にCERNで認められた.これに先立ち,日本グループとしては新しい実験の中でトリガー,トラッキング両方の役割を負っているシンチレーティングファイバーホドスコーブ(Scifi)について,より強い1次ビーム中で優れたトリガーを作るための新しい0.25mmファイバーを用いたホドスコープ(Ultrafine Scifi Hodoscope)5cm×5cm2面のプロトタイプを制作し,また,Scifiのみならず,すべての光電子増倍管を用いる検出器の読み出しに用いる事のできる高分解能TDC, ADC機能を持つ読み出し回路のプロトタイプを製作し,本年度,テストビームラインにおいて試験をおこない,成功を収めた.テスト実験の結果は現在解析中であり,近く論文として公表の予定である.
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Research Products
(1 results)