2004 Fiscal Year Annual Research Report
機能性元素をドープした半導体ナノ微粒子の作製と単一微粒子分光による量子光物性
Project/Area Number |
14340093
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金光 義彦 京都大学, 化学研究所, 教授 (30185954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 英幸 京都大学, 化学研究所, 助手 (30343271)
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Keywords | 半導体ナノ粒子 / 顕微分光 / 不純物発光 / 希土類イオン / 遷移金属イオン / 量子サイズ効果 / 単一粒子分光 / レーザー分光 |
Research Abstract |
本研究では、半導体ナノ微粒子を機能性イオンドープのための新しいナノ空間母体材料と考え、新しい機能性を有するドープ型ナノ微粒子を作製し、空間分解顕微分光によりその単一粒子の量子光物性を明らかにした。機能性元素ドープ半導体ナノ微粒子の作製は、逆ミセル法、共沈法およびイオン打ち込み法を用いて行った。さらに、低温で光学特性が測定可能なナノ粒子を分散させたSiO_2薄膜をゾルゲル法により作製した。Mnイオンなどの遷移金属イオン、希土類Euイオン、ドナー・アクセプターとなる不純物を添加したII-VI族化合物半導体を中心にそれらの発光特性を詳細に研究した。ガラス中に分散させたナノ粒子の濃度を変化させることにより、集合体および孤立したナノ粒子の発光特性を測定した。単一ナノ粒子においては、浅い不純物準位発光の線幅は狭くナノ粒子サイズに敏感であるが、深い不純物準位発光は非常にブロードであった。単一ナノ粒子発光のスペクトルの線幅は、電子格子相互作用が決めていることがわかった。また、バンドギャップエネルギーの大きな半導体を表面層に用いるコア・シェル型半導体ナノ粒子を作製した。このコア・シャル型構造では、ドープした不純物イオンが表面に析出しないように表面層をコートすることにより、不純物発光の高度増大が観測できた。不純物をドープしたコア・シャル型ナノ粒子においても、近接場光学顕微鏡を用いてひとつひとつの発光特性を明らかにすることができた。また、サイズの揃ったナノ粒子が組織化したナノ微粒子集合体の発光ダイナミクスをフェムト秒レーザー分光法を中心に用いて明らかにし、ナノ微粒子の光学応答やナノ微粒子から機能性元素へのエネルギー移動メカニズムを議論した。
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Research Products
(6 results)