2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340104
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
和田 信雄 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90142687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平島 大 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20208820)
松下 琢 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00283458)
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Keywords | 低次元フェルミ流体 / 1次元フェルミ流体 / 超低温比熱 / 圧縮率 / 3次元超流動転移 / 吸着圧力 / 多孔体 / ヘリウム |
Research Abstract |
新規メゾ多孔体基盤として2および1次元多孔体の他に,新しく直径28Åの3次元多孔体HMM-2においても吸着ヘリウムの研究を開始した。これらのナノ細孔の壁面にヘリウムが何層まで一様に層形成するかなどの吸着状態を,吸着圧力の精密測定から明らかにした。直径28Åの1次元細孔では,1.4層を4Heで前もって覆い,その上に希薄な密度の3Heを吸着させて5mKまでの比熱測定を行った。この温度と密度の条件は,細孔の断面内における3He原子の運動は基底状態にあり,1次元方向のみの運動の自由度がある1次元フェルミガスの条件を満たすことが期待できる。結果は30mK程度以下ではフェルミ縮退を示すT-比例の依存をしめし,温度をあげると約300mK以上で2次元古典ガスの比熱の大きさを示した。この結果を理解するため,3He原子の運動の固有状態を細孔中の現実的なポテンシャルに対してもとめ,3Heガスの比熱計算を行った。実験と計算結果は良い一致をしめし,低温での1次元のフェルミ縮退状態から,100-200mKを越えて,2次元ガス状態へクロスオーバーしたと理解できる。また3次元多孔体HMM-2に吸着した4Heにおいては,比熱とねじれ振り子による超流動の測定を行った。多孔体中4Heの超流動は1.2原子層以上の膜厚で観測したが,各膜厚で超流動が現れる温度で比熱のピークを観測して,3次元転移の性質をはっきりと観測した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Yamada, R.Toda, Y.Matsuhita, T.Matsushita, N.Wada: "Superfluid State of ^4He Films Adsorbed on 27Å Pores in HMM-2"J.Low Temp.Phys.. 134. 601-606 (2004)
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[Publications] J.Taniguchi, A.Yamaguchi, H.Ishimoto, H.Ikegami, N.Wada: "Observation of the Fermi Fluid in ^3He-^4He Mixture Films Formed in One-Dimensional 28A Pores"J.Low Temp.Phys.. 134. 595-600 (2004)
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[Publications] H.Ikegami, T.Okuno, Y.Yamato, J.Taniguchi, N.Wada, S.Inagaki, Y.Fukushima: "Film growth of ^4He adsorbed in mesopores ""Phys.Rev.. B68. 092501-1-092501-4 (2003)