2004 Fiscal Year Annual Research Report
液晶におけるパターンの解明-場の対称性と非平衡マクロ揺らぎ-
Project/Area Number |
14340123
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
甲斐 昌一 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20112295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 芳樹 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (70274511)
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Keywords | ゴールドストーン・モード / ソフトモード乱流 / 有限サイズ効果 / 時空間欠性 / 欠陥格子 / カオス制御 / ネマチック液晶 / 電気対流 |
Research Abstract |
液晶電気対流系では、液晶分子の配向制御によって場の対称性の異なる2種類の系をつくることができる。本研究ではそれぞれの系に対して次のような研究成果を得た。まず連続回転対称性を持つホメオトロピック系では、帯状電極を用いてアスペクト比の小さな系を作製し、ゴールドストーン・モード(GM)と対流モードの相互作用によって現れるソフトモード乱流(SMT)に対する次元性やサイズ効果について調べた。その結果、非平衡マクロ揺らぎに対する一種の有限サイズ効果によってGMの自由度が抑えられ、それによってSMT発生点が高い制御パラメータにシフトすることがわかり、系のサイズとシフト量の定量的関係を実験的に求めた。また揺らぎの相関時間を求めることによって、次元性は乱流の時間的性質には影響しないことがわかった。準1次元ホメオトロピック系では、熱対流系と同様に時空間欠性が見られることがわかった。 一方、連続回転対称性が強制的に破れているプレーナー系では、周期パターン中の欠陥が周期的に配列した欠陥格子パターンで見られる時空揺らぎを観測した。その結果、格子が間欠的リミットサイクル振動を示すことと、その振動数が制御パラメータに線形依存することを明らかにした。また、欠陥格子が部分的に乱流になる時空間欠性を経て完全な乱流へ至ることを見出し、乱流面積を秩序度とする分岐図を得た。さらに欠陥格子に対して制御パラメータを時間的に変調させると、乱流領域に格子が再生される時空カオス制御が可能になることを見出した。また、乱流面積を指標とする共鳴曲線を求め、リミットサイクル振動の振動数と等しい振動数で変調すると最も効果的に時空カオス制御を行えることがわかった。
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Research Products
(5 results)