2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340125
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
平山 孝人 立教大学, 理学部, 助教授 (40218821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古橋 治 立教大学, 先端科学計測研究センター, 博士研究員 (50350327)
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Keywords | 多価イオン / 希ガス固体 / 電子遷移誘起脱離 / 励起子 / Van der Waals固体 / クラスター |
Research Abstract |
本年度は本研究遂行に必要な実験装置の構築を行い,その動作確認を行った. 1.主真空槽を製作し,極高真空を達成した(到達圧力:5×10^<-9>Pa). 2.低エネルギー電子衝撃による固体Ne表面からの脱離過程の試料温度依存性の測定を4.3K-7.0Kの範囲で行った.Ne固体におけるアニールの効果を確認し,脱離収率および脱離運動エネルギーの試料温度依存性の測定に成功した.これらの結果を,固体の結晶化および熱運動の効果で説明した. 3.主実験槽をECR多価イオン源と接続し,計測システムを含む装置全体の動作確認を行った. 4.Ar^<3+>, Ne^<q+>(q=3,4,5)入射によるNe固体表面からの脱離イオンを観測した.主たる脱離イオン種はNeクラスターイオン(Ne^+_n)であり,n〜100程度までのクラスターが観測された.Ar固体を標的とした場合は,n〜20程度までしか観測されなかった.また,200eV程度のエネルギーの電子衝撃では,n〜5程度以上のクラスターは観測されない.現在,この結果についての詳細を解析中であり,7月に行われる国際会議で報告する予定である。 今年度の実績をふまえ,次年度は以下のように研究を行う計画である. 1.ECR多価イオン源と主実験槽を接続した際に,主実験槽の圧力が2×10^<-8>Pa程度に上昇した.より一層の試料表面清浄化のために,差動排気システムを製作する. 2.反射イオンの観測を試みる.これにより,希ガス固体表面上での入射イオンの電荷がどのように固体中に与えられるかに関する情報を得ることが期待される.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] I.Arakawa, T.Adachi, T.Hirayama, M.Sakurai: "Absolute yields of the exciton induced desorption at the surface of a solid rare gases"Fizika Nizkikh Temperatur (Low Temperature Physics). 29(印刷中). (2003)
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[Publications] T.Adachi, T.Hirayama, T.Miura, I.Arakawa, M.Sakurai: "Absolute measurements of the total PSD and ESD yields at the surface of solid krypton"Surface Science. (印刷中). (2003)