2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340128
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 尚之 東京大学, 地震研究所, 助教授 (60224523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雷 興林 産業技術総合研究所, 地球科学情報研究部門, 主任研究員 (70358357)
加藤 照之 東京大学, 地震研究所, 教授 (80134633)
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Keywords | 鮮水河断層 / GPS / すべり速度 / 摩擦 / 岩石実験 / シミュレーション / 地震活動 |
Research Abstract |
(1)鮮水河断層の相対変位速度 中国で実施されているGPS解析結果を統合して得られた変位速度場に基づき,ブロック-断層モデルを適用して,鮮水河断層に沿うすべり遅れ分布を調べた.断層はWen et al.[2002]を参考にして15の部分に分割した.数値計算の結果,断層の両側の剛体ブロックの相対変位速度は7.5mm/yr程度であること,すべり遅れ分布についてはWen et al[2002]によって指摘されている近い将来地震発生が予想される地域では,固着が認められた.モデルから求めたすべり遅れ成分と最新地震発生年から推定すると,今地震が発生すると仮定した場合,Bamei近傍ではMw=6.0,Mianning近傍ではMw=6.8の地震が起こりうるという結果になった.(2)折れ曲がりのある断層での破壊伝播に関する実験的研究 大型2軸試験機を利用し複雑なセグメント構造を有する岩石試料で断層滑り実験を行うために,試料の作成と実験機器及びデータ収録装置の改良を行った.(3)鮮水河断層での地震活動シミュレーション弾性体中の横ずれ断層がすべり速度・状態依存摩擦則に従うとした場合の地震活動シミュレーションプログラムを開発した.鮮水河断層の形状を模し,過去の地震活動から存在が推定される断層のセグメント構造を与えるような摩擦パラメターを不均一性を与えてシミュレーションを行った.断層に沿って地震活動が移動する等の予備的結果が得られたが鮮水河断層での地震活動を再現するには至っていない.さらにモデルパラメター分布のチューニングが必要である.(4)鮮水河断層のセグメント構造調査 セグメント間の部分が破壊強度が大きいバリアーであるか柔らかい物質が存在する非地震領域であるかによって,シミュレーションのモデルパラメターの設定が異なってくる.セグメント構造を詳細に調べる目的で鮮水河断層沿いの高解像度衛星画像の解読作業を開始した.これに基づいて来年度行う予定の現場調査場所を決める.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kato, N.: "A possible model for large preseismic slip on a deeper extension of a seismic rupture plane"Earth Plane.Sci.Lett.. 216・1. 17-25 (2003)
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[Publications] Kato, N., T.E.Tullis: "Numerical simulation of seismic cycles with a composite rate- and state-dependent friction law"Bull.Seismol.Soc.Am.. 93・2. 841-853 (2003)
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[Publications] Kato, N.: "Repeating slip events at a circular asperity : Numerical simulation with a rate- and state-dependent friction law"Bull.Earthq.Res.Inst.Univ.Tokyo. 78・2. 151-166 (2003)
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[Publications] 加藤尚之: "プレート境界面の摩擦パラメターの推定について-三陸沖のアスペリティを例として-"地学雑誌. 112・6. 857-868 (2003)