2003 Fiscal Year Annual Research Report
ロケット・レーダー同時観測による電離圏E領域イレギュラリティの生成機構の研究
Project/Area Number |
14340145
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
深尾 昌一郎 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 教授 (30026249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 卓司 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助教授 (40217857)
橋口 浩之 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助教授 (90293943)
山本 衛 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助教授 (20210560)
大塚 雄一 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (40314025)
斉藤 昭則 京都大学, 理学研究科, 助手 (10311739)
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Keywords | SEEK-2観測 / 中緯度電離圏E領域 / 観測ロケット / 電離圏イレギュラリティ / レーダー観測 |
Research Abstract |
本研究は、文部科学省宇宙科学研究所鹿児島宇宙空間観測所(KSC)から打ち上げるS-310観測ロケット2機と地上観測の組合せからなる電離圏E領域の観測キャンペーンSEEK-2(Sporadic-E Experiment over Kyushu)によって、電離圏の沿磁力線イレギュラリティ(Field-Aligned Irregularity ; FAI)の生成機構を明らかすることを目的としている。SEEK-2観測は2002年8月に成功裡に実施され、本年度はそのデータ解析を中心に、以下に述べる研究を実施し、論文発表をすすめた。 1.種子島に設置した2機のレーダー観測データの詳細な解析を進めた。干渉計観測から、E領域FAIに見られる空間構造が主としてスポラディックE層の水平不均一性によって発生していることが見出された。強い不均一構造によって、レーダー電波が屈折を受ける様子が計算機シミュレーションから明らかになった。 2.中緯度電離圏E領域の力学構造号を調べるため、3次元の計算機シミュレーションを開発し、SEEK-2ロケット観測結果等をもとに研究を進めた。その結果、中性大気風速の強いシア(速度の高度変化)による強いスポラディックE層が現れること、分極電界の効果によって2次的な電子密度のピークが説明されることが明らかになった。更に大気重力波のシミュレーション結果を取り入れることで、大気重力波の効果によってE領域FAIの空間構造が生成される可能性が示唆された。 3.MUレーダーと大気光イメージャの組合せによる電離圏E領域とE領域のカップリングに関する研究が行われ、電離圏の2つの領域が分極電界を通じて相互作用している状況が観測された。これは将来における研究発展の方向を示す重要な成果である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Yokoyama, M.Yamamoto, S.Fukao: "Three-dimensional simulation on generation of polarization electric field in the midlatitude E-region ionosphere"Journal of Geophysical Research. 109・A1. A01309 (2004)
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[Publications] K.Shiokawa, Y.Otsuka, T.Ogawa他10名: "Thermospheric wind during a storm-time large-scale traveling ionospheric disturbance"Journal of Geophysical Research. 108・A12. 1423 (2003)
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[Publications] T.Yokoyama, M.Yamamoto, S.Fukao: "Computer simulation of polarization electric fields as a source of midlatitude field-aligned irregularities"Journal of Geophysical Research. 108・A2. 1054 (2003)
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[Publications] S.Fukao, Y.Ozawa, M.Yamamoto他1名: "Altitude-Extended Equatorial Spread F Observed near Sunrise Terminator over Indonesia"Geophysical Research Letter. 30・22. 2137 (2003)
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[Publications] Y.Otsuka, T.Ogawa他5名: "Optical and Radio Measurements of a 630-nm Enhancement over Japan on September 9,1999"Journal of Geophysical Research. 108・A6. 1252 (2003)
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[Publications] S.Fukao, H.Hashiguchi他7名: "The Equatorial Atmosphere Radar (EAR) : System description and first results"Radio Science. 38・4. 1053 (2003)