2002 Fiscal Year Annual Research Report
石英の微細構造および鉱物放射年代に基づく三波川変成岩上昇過程の解明
Project/Area Number |
14340151
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
竹下 徹 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30216882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板谷 徹丸 岡山理科大学, 自然科学研究所, 教授 (60148682)
安東 淳一 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50291480)
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Keywords | 三波川変成帯 / 秩父北帯 / テレーン / フェンジャイト / Si値 / 石墨化度 / 変成温度圧力条件 / 高圧変成岩体 |
Research Abstract |
本年度は,三波川変成帯低変成度部とその南側に分布する秩父北帯の野外地質調査,および採集岩石試料中の微細構造解析と白雲母の化学組成解析を行った。以下に成果を箇条書きに述べる。 (1)三波川変成帯と秩父北帯は,これまで白亜紀に三波川変成作用をともに被ったと考えられて来たが,2つが別個のテレーンであるのかどうかは必ずしも明瞭ではなかった。今回の調査で,両帯は全く別個の岩相および構造で特徴付けられる,異なるテレーンであることが明らかとなった。 (2)変成温度・圧力条件を見積もるため,三波川帯南縁部-秩父北帯を横切る南北13kmのルートにおいて泥質片岩を系統的に採取し,主要構成鉱物である白雲母(フェンジャイト)の化学組成をEPMAで測定した。また,変成温度条件を明らかにするため,石墨の底面間隔,d_<002>(石墨化度)をX線回折装置を用いて測定した。その結果,d_<002>は調査地域で大きく変化しない(3.5-3.6オングストローム)一方,フェンジャイトのSi値は,三波川帯南縁部で3.30-3.38,三波川帯と接する厚さ4kmの秩父北帯北縁部で3.33-3.43,さらにその南側の秩父北帯主体部で3.23-3.28と著しく変化していることが明らかとなった。これらのデータに基づき,変成温度条件は全域にわたって300-350℃程度,圧力条件は,三波川帯南縁部,秩父北帯北縁部および主体部で,それぞれ6,8および4kbと見積もられた。したがって,両帯の境界部は,最高圧力を示す秩父北帯北縁部がくさび状に挟まれている構造で特徴付けられ,今後,この高圧変成岩体の上昇過程・機構が本研究の重要なテーマとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yagi, K.: "Regional variation in exhumation and strain rate of the high-pressure Sambagawa metamorphic rocks in central shikoku, south-west Japan"Journal of Metamorphic Geology. 20・7. 633-647 (2002)
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[Publications] Sakashima, T.: "Large-scale displacement along the Median Tectonic Line, Japan : evidence from SHRIMP zircon U-pb dating of granites and gneisses from the south kitakami and paleo-Rycke belts"Journal of Asian Earth Sciences. (印刷中). (2003)
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[Publications] Miyashita, A.: "K-Arage and chemistry of phengite from the sanbagawa schists in the Kanto Mountains, central Japan, and their implication for exhumation tectonics"Gondwana Reserch. 5・4. 837-848 (2002)
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[Publications] Kim, S.W.: "metamorphic K-feldspar in low-grade meta-sediments from the ogcheon metamorphic belt in South Korea"Gondwana Research. 5・4. 849-856 (2002)