2002 Fiscal Year Annual Research Report
火山活動に伴う塊状硫化物鉱床の生成機構に関する地質学的・地球化学的研究
Project/Area Number |
14340157
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
水田 敏夫 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (80094051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿園 直建 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10011751)
佐伯 和人 秋田大学, 工学資源学部, 助手 (50292363)
石山 大三 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (30193361)
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Keywords | 海底熱水鉱床(VMSD) / 海底熱水活動 / オマーン国グザイン鉱床 / 熱水鉱化作用 / ICP-M分析 / 温川含金黒鉱鉱床 / カルデラ / 希土類元素局所分析 |
Research Abstract |
平成14年度の取り組み 海底熱水鉱床生成場の変遷を解明として,次の3つを解明するのが目標である. 1.現世の海底熱水活動を詳細に観察し生成環境を解析する. 2.熱水活動で生成し,プレートに運ばれ陸上に乗り上げたVMSDを現世の海底熱水活動と対照する. 3.含金黒鉱鉱床の成因が浅所で形成された小規模カルデラに関連していることを証明する. 平成14年度の成果 (1)現世の海底熱水活動として,北フィジー海盆及びマヌス海盆の海底熱水活動による沈殿物である鉱石を観察し,海底熱水活動の多様性を明らかにしつつある.海底火山活動と鉱化作用,マグマと循環海水との反応,硫化鉱物の結晶成長機構が,多くの組織観察とICP-MS分析からに明らかになった. (2)陸上に乗り上げたVMSDとしてオマーン国グザイン鉱床を取り上げ,その鉱化作用,関連火成岩と熱水鉱化作用を明らかにした. (3)現生のカルデラの解析を行うとともに,黒鉱生成期である中新世に形成されたカルデラを斜度図から解析した.北鹿の温川含金黒鉱鉱床の成因が浅所で形成された小規模カルデラに関連しているとの仮説の下,カルデラと金鉱化作用の関連性を,そのカルデラ及び黒鉱鉱床のサイズ,金含有量などを化学的に解明,カルデラがの重要性を明らかにした. 平成15年度以降の最重点課題 1.陸化したVMSD鉱床:オマーンのグザイン鉱床,下川鉱床を選択し,硫化鉱物中の安定同位体比,遷移金属元素,PGEの局所分析をおこなう. 2.緑泥石などの変質粘土鉱物を主とする珪酸塩鉱物,炭酸塩鉱物,酸化鉱物中の希土類元素(REE)局所分析をおこなう. 3.熱水から晶出した鉱物の共生関係,主成分および微量成分の化学組成から,熱水-結晶間の元素の分配データ等をもとに,熱水の温度,圧力,pHなどの地下環境の推定する.その機構をさらに検証し明確化するため上記鉱石の流体包有物の分析をおこなう.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 高橋美和, 水田敏夫, 石山大三, 木村純一, 高田実彌: "LA-ICP-MS分析法による菱刈鉱床含金石英脈の石英中の微量成分の特徴と鉱液の起源"資源地質. 52・1. 51-67 (2002)
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[Publications] Ogata, T., Ishiyama, D., Mizuta, T., Nakashima, K.: "Coexistence of a fluid phase with granitic magma : Geochemical characteristics of REES and Cu in Miyako granite and in scheelite-bearing aplitic veins at the Yamaguchi Cu-W skarn deposit, Iwate, Japan"Resource Geology. 52・2. 173-186 (2003)
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[Publications] 緒方武幸, 水田敏夫, 石山大三, 高田実彌: "中性子放射化分析法による鉱化および非鉱化の花崗岩中のタングステンの定量"素材物性学会誌. 15・2. 29-35 (2002)
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[Publications] 佐伯和人, 坪井直: "月探査画像解析ソフトの開発と活用"日本惑星科学会誌. 12・1. 36-44 (2003)
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[Publications] Shikazono, N., Yonekawa, N., Karakizawa, T.: "Mass transfer, oxygen isotopic variation and gold precipitation in epithermal gold system : a case study of the Hishikari deposit, southern Kyushu, Japan"Resource Geology. 52.2. 211-222 (2002)
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[Publications] Nabetani, A., Shikazono, N.: "Chemical process and environment of hydrothermal alteration of acidic volcanic rocks in the Mitsuishi district, southwest Japan"Geochemical Journal. 36・3. 255-269 (2002)