2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340158
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
廣井 美邦 千葉大学, 理学部, 教授 (40019427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 厚行 千葉大学, 理学部, 教授 (30150072)
津久井 雅志 千葉大学, 理学部, 助教授 (50192191)
金川 久一 千葉大学, 理学部, 教授 (40185898)
古川 登 千葉大学, 理学部, 助手 (40251194)
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Keywords | 局所的チャルノッカイト化現象 / 部分融解 / グラニュライト相 / エクロジャイト相 / Al_2SiO_5鉱物 / コランダム / 石英 / 非平衡過程 |
Research Abstract |
本年度は最終年度であり、地表ないし地殻浅部環境での固体地球構成物質(岩石・鉱物)と流体相との相互作用に関する研究は印刷公表の段階に入った。他方、地殻深部ないし上部マントル環境での岩石・鉱物と超臨界流体相との相互作用に関する研究では、現在でも野外と室内での基本的なデータ収集作業が進行中であり、また重要な新知見が次々に得られつつあるため、学会等での口頭発表は行ったものの、まだ印刷公表の段階には至っていない。 特に今年度得られた地殻深部由来の岩石および流体相に関する重要な新知見としては次のような事項がある: (1)スリランカや南インド等に見られる「局所的チャルノッカイト化現象」が南極の昭和基地周辺地域(ラングホブデやスカルブスネス、ホノール奥岩などのグラニュライト相地域)でも確認されたこと、 (2)「局所的チャルノッカイト化現象」には、外部からの超臨界流体の移入によるものと岩石のその場での部分融解過程によるものとがあることが判明したこと、 (3)グラニュライト相やエクロジャイト相に属する高温・高圧の岩石中で、石英(SiO_2)から0.2mm以下の近距離でコランダム(Al_2O_3)がAl_2SiO_5鉱物(藍晶石、珪線石、紅柱石の3多形のいずれに対しても)を置換して成長するという極端な非平衡過程の進行例が見出されたこと、 (4)上部マントル中に押し込まれた後、短期間の内に地表まで上昇したことを多様な変形・変成組織として保持している花崗岩質岩(チェコのクフェールグラニュライト起源のウルトラマイロナイト)が見出されたこと、 等である。特に第3と第4の事項は、超臨界流体相の挙動を含めた地殻深部における多様な地質過程に対して、新たに速度論的な制約を与えるものとして重要である。
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Research Products
(6 results)