2002 Fiscal Year Annual Research Report
赤外分光法による火山ガス組成遠隔測定の高度化に関する研究
Project/Area Number |
14340168
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野津 憲治 東京大学, 大学院・理学系研究所, 教授 (80101103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 俊哉 東京大学, 大学院・理学系研究所, 助手 (40272463)
鍵 裕之 東京大学, 大学院・理学系研究所, 助教授 (70233666)
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Keywords | 火山ガス / 遠隔測定 / 赤外吸収分光 / 噴火予知 / 太陽散乱光 / 赤外発光分析 / 赤外光源 |
Research Abstract |
火山ガスの化学組成の時間変化は火山活動の推移を敏感に反映するが、噴火がさし迫ったり、噴火が起きている最中には危険なため火山ガスを採取できないので、遠隔測定することが重要となる。申請者らは、火山ガスの赤外吸収スペクトルの遠隔測定から組成を求める方法の開発を1990年代初頭から試み、世界で最初にSO_2/HCl比の定量に成功した。その後もCO、CO_2、COS、HF、SiF_4などの検出に成功したが、吸収スペクトル測定の最大の問題点は、火山ガスの背後に赤外光源が必要なことで、これまで高温の溶岩ドーム、噴気地帯の地熱を光源として用い成果を得た。本研究ではこの方法の高度化のために、もっと一般的な光源である太陽の散乱光を使う方法や、人工光源を用いる方法、光源のいらない赤外発光を用いる方法の確立を目ざす。平成14年度は、新しい高感度の屋外用赤外分光システムを組み上げ、実験室で高感度化のための調整を行ない、かつ標準ガスを用いて定量のための性能をチェックと検量線の作成を行なう予定であったが、システムの中心となるMidac社製フーリエ変換型分光器の納入が平成15年3月にずれ込み、組み立てと簡単な性能チェックを本報告書の提出後に行なう予定で、本格的なシステムの完成は次年度に行なうことになる。したがって、野外での観測は次年度に集中的に行なうことになり、研究対象の火山の候補としては阿蘇山、桜島、浅間山、三宅島などこれまでに経験のある火山から始める予定である。なお、本年度実績報告に載せた研究発表は、申請者らがすでに所有している旧分光システムを使った研究成果で平成14年度に公表されたものである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mori T., Sato M., Shinoike T., Notsu K.: "High SiF_4/HF ratio detected in Satsuma-Iwojima volcano's plume by remote FT・IR observation"Earth Planet Space. 54. 249-256 (2002)
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[Publications] Notsu K., Mori T., Sumino H.: "High HCl flux Miyakejima volcano, Japan"Geochim.Cosmochim.Acta. 66(S1). A560 (2002)