2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340169
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉浦 直治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80196716)
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Keywords | カソードルミネッセンス / 隕石 / オリビン / アノサイト |
Research Abstract |
平成14年度は新たに導入したカソードルミネッセンス(以下CLと略す)の装置で隕石がどの様に見えるかを知ることが主な仕事となりました。隕石のCLに関してはこれまでいくつかのレポートがありますがまとまった研究はなかったのでどのようなものがどの様に見えるかは予想のできない状態でした。それで各種隕石の代表的試料をとりあえずCLで見てみました。その結果、隕石では主に、オリビン、アノサイト、スピネル等の鉱物が明るいCL発光をすることが解りました。CLにおいては良くあることですが、同じ鉱物でもCL発光をするものと、しないものがあり、オリビン、スピネルでは鉄の含有量が少ないものが強くCL発光することが確かめられました。隕石中のアノサイトでは何がCL強度を決めているかはまだ良く解っていません。以上のことからわかるように、CLは(鉄が主として金属として存在する)始原的隕石で良く発光し、その構成鉱物がどのように作られたか(成長したか)を教えてくれます。特にオリビンは粒子サイズが大きいのでその内部構造をCLで詳しく見ることができ、どの様に成長したかを知ることができます。今後は主にオリビンとアノサイトについて発光のメカニズムを調べ、それを基に二次イオン質量分析への応用を考えて行くことになります。なお、CL装置の導入が遅かったのでまだ雑誌に発表された論文はありません。
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