2002 Fiscal Year Annual Research Report
高感度原子衝突電子分光法による界面分子の配向とダイナミクスの研究
Project/Area Number |
14340173
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大野 公一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60012499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 直樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60302080)
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Keywords | ペニングイオン化 / 衝突エネルギー / 電子分光 / 分子軌道 / 相互作用ポテンシャル / 反応素過程 / 電子エネルギー分析器 |
Research Abstract |
1.高感度速度分解ペニングイオン化電子分光法 磁気ボトル効果と阻止電場型電子エネルギー分析器を用いた計測法により、従来の同心半球型電子エネルギー分析器と衝突セルを用いた計測法よりも1000倍高感度の2次元ペニングイオン化電子分光法を確立し、超音速分子線-励起原子線の交差分子線の(衝突エネルギー/電子運動エネルギー分解)2次元計測を行った。その結果、部分イオン化断面積の衝突エネルギー依存性が従来法とは違った傾向を示したため、超音速分子線中での反応過程の詳細な検討に入ることが可能になった。 2.電場ゲート型超高感度電子分光法の開発 希ガスの励起原子による試料のイオン化の際に放出された電子を永久磁石とソレノイドによる磁気ボトル効果により捕集した。この先に一対の平行平板電極を設置し、片側は接地させ、もう片側に通常数V程度の電圧を時間相関法を利用した擬似ランダム状に印加し、連続的な電子をパルス状にし、分析効率の高い、飛行時間法による電子エネルギー分析法を適用可能とした。任意波形発生器AWG710(日本テクトロニクス)を用いた、幅20nsの電気パルスを利用することでエネルギー分解能約18OmeVを達成した。 3.分子と励起原子の立体反応ダイナミクス 窒素や一酸化炭素、アセトニトリルなどの試料分子と励起原子のイオン化反応における(衝突エネルギー/電子運動エネルギー分解)2次元計測結果と理論計算結果を比較して、反応系の相互作用ポテンシャルの異方性と妥当性について検討することが出来た。特に、励起原子と類似性の知られているアルカリ金属原子を用いた分子軌道計算結果を補正する手法の確立により、超励起状態のポテンシャル面を検討した。 4.有機分子の軌道反応性と電子構造 分子内にハロゲン原子をもつ分子の軌道の反応性を、置換基どうしの分子内相互作用やバンドのスピン-軌道分裂と関連づけて検討した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Masakazu Yamazaki, Satoshi Maeda, Naoki Kishimoto, Koichi Ohno: "Classical Trajectory Calculations of Collision Energy Dependence of Penning Ionization Cross-sections for N_2 and CO by He^*(2^3S) ; Optimization of Anisotropic Model Potentials"Chemical Physics Letters. 355. 311-318 (2002)
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[Publications] Masakazu Yamazaki, Satoshi Maeda, Naoki Kishimoto, Koichi Ohno: "Classical Trajectory Calculations for Two-Dimensional Penning Ionization Electron Spectra of N_2, CO, and CH_3CN with Metastable He*(2^3S) Atoms"The Journal of Chemical Physics. 117. 5707-5721 (2002)
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[Publications] ShanXi Tian, Naoki Kishimoto, Koichi Ohno: "Spin-Orbit Effect and Intramolecular Orbital Interactions : Penning Ionization of CH_2BrCl, CHBrCl_2, and CH_2BrCN by Collision with He^*(2^3S) Metastable Atoms"The Journal of Physical Chemistry A. 107. 2137-2147 (2002)