2002 Fiscal Year Annual Research Report
コヒーレント光会合による極低温分子の合成とマニピュレーション
Project/Area Number |
14340175
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
金森 英人 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00204545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 かおり 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員
溝口 麻雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20322092)
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Keywords | 冷却分子 / レーザー冷却 / 光会合反応 / 高分解能分光 / 準マイクロ波分光 / 磁気光学トラップ |
Research Abstract |
近年レーザー冷却法によって、超低温状態でトラップされた原子を使って様々な興味深い実験がなされ、多方面で画期的な応用が提案されている。同様に分子を極低温状態にトラップし、それを使って様々な化学反応実験を行うのが分子科学者の夢である。本研究においては、気相で極低温トラップされた単一量子状態の原子・分子集団を特殊な化学反応場として捉え、位相の制御された光を使って別のコヒーレントな単一量子集団を作り出す「誘導ラマン光会合反応を用いた極低温原子からの冷却分子の合成」を目的とする。 今年度はまず、第一段階としてレーザー冷却した原子集団を生成するための実験を行った。 1、Rb原子のレーザー冷却 磁気光学トラップ装置を製作し、^<85>Rb原子を数百μKまで冷やし、数ミリ立方の空間に10^8/mm^3の密度で10秒以上保持した。レーザー冷却の光源として外部共振器型半導体レーザーシステムを2セット自作した。磁場の適用範囲条件をおさえておく。 2、^<85>Rb原子と^<87>Rb原子の同時レーザー冷却装置の設計 先の実験結果から、同一磁気ポテンシャル内に^<85>Rb原子と^<87>Rb原子を同時にトラップするための冷却レーザーの導入系と磁場勾配の設計最適化したシステムを設計した。 3、光コム発生器の製作 次年度の誘導ラマン過程光源として用いる2本のレーザーを位相安定化制御のために、光コム発生器を製作した。光位相安定化回路を導入することによって300MHz(1cm^<-1>)までの周波数安定化を実現した。すなわち"準マイクロ波分光法"をサブミリ波領域にまで拡張することに成功した。
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