2003 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーと放射光を組合せた振動高次倍音励起分子の光解離制御
Project/Area Number |
14340188
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
見附 孝一郎 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (50190682)
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Keywords | 光解離 / 極端紫外光 / 水 / 放射光 / 振動励起分子 / レーザー / 選択的結合解離 / 反応制御 |
Research Abstract |
狭帯域波長可変の連続レーザー(710-725nm)で振動回転準位が指定された水分子を生成し、それに極端紫外放射光を照射して、振動基底分子の光解離とは異なる反応分岐比や分解確率を得ること目的とする。平成14年度に続き、極端紫外域に存在する強い反発性を持った1電子励起1電子イオン化状態や中性超励起状態を探し出し、その崩壊と解離のメカニズム及びポテンシャルエネルギー曲面の描像を得ることを目標とした。この2光子励起実験は、研究代表者が高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所のフォトンファクトリー施設に出向いて行った。14年度に本補助金で購入した1W級のレーザーを核にして、レーザーと放射光の2光子励起実験に用いるシステムを立ち上げた。チョッパを用いたロックイン測定によって高い感度を達成した。狭帯域波長可変レーザー(約723nm)をHODに照射してO-H伸縮振動モードv_<OH>を4量子励起した。レーザー光を吸収して生成した振動励起分子に、アンジュレータ光を照射し分解させた。ここで、量低反発性電子状態HOD^+(4A")へ直接イオン化できるような値に放射光の波長をほぼ合わせ、波長を細かく掃引して、質量分析法でOD^+イオンの励起関数を測定した。4つの独立した真空マニュピレータ機構に蛍光板とアパチャ板を固定して、イオン化点に対し上流と下流にある2つの真空槽に組み込んだ。この装置により、真空を破ることなく2つの光を正確に同軸上に重ね合わせることが可能となった。以上の実験装置を用いて、OH^+の強度がレーザーのオン・オフで変動することを初めて確認することができた。振動励起分子からのイオンやしきい電子の出現電位が振動基底分子のそれよりも低くなることから、2光子吸収過程で解離が起きていることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Junkei Kou, 江 潤卿: "Molecular- and atomic-like photoionization of C_<60> in the extreme ultraviolet"Chemical Physics Letters. 374巻. 1-6 (2003)
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[Publications] Takanori Mori, 森 崇徳: "Development of a photoionization spectrometer for accurate ion yield measurements from gaseous fullerenes"Review of Scientific Instruments. 74巻8号. 3769-3773 (2003)
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[Publications] Masaki Ono, 小野 正樹: "Kinetic energy distribution and anisotropy of fragment ions from SF_6 by photoexcitation of a sulfur 2p-electron"Chemical Physics Letters. 379巻. 248-254 (2003)
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[Publications] Junkei Kou, 江 潤卿: "Double photoionization of C_<60> and C_<70> in the valence region"Journal of Chemical Physics. 120巻13号(印刷中). (2004)
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[Publications] Yasumasa Hikosaka, 彦坂 泰正: "Autoionization and neutral dissociation of superexcited HI studied by two-dimensional photoelectron spectroscopy"Journal of Chemical Physics. 120巻(印刷中). (2004)