2004 Fiscal Year Annual Research Report
分子集合に基づく有機ゼオライトの不斉ナノ空間の構築と機能化
Project/Area Number |
14340217
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小林 健二 静岡大学, 理学部, 助教授 (40225503)
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Keywords | 有機ゼオライト / 分子集合体 / ヘキサアリールベンゼン / 水素結合 / 不斉 / ナノ空間 / アミノ酸 / ペプチド |
Research Abstract |
我々は2003年に、ヘキサキス(p-カルバモイルフェニル)ベンゼンが1級アミド基間のカテマー型水素結合により多孔質3次元水素結合ネットワークを形成することを報告した。カテマー型水素結合はペプチドのβ-シート型水素結合と見なすことができる。この知見をもとに、不斉有機ゼオライトを構築すべく、ヘキサキス[p-(L)-フェニルグリシル]ベンゼン1とヘキサキス[p-((L)-アラニルアミノ)フェニル]ベンゼン2を設計し合成した。ホスト1は、(L)-p-ヨードフェニルグリシンを出発物質に用い、薗頭カップリング反応によりビス[p-(L)-フェニルグリシル]アセチレンを合成し、コバルト触媒によるジアリールアセチレンの環化三量化によって合成した。ホスト2は、我々が開発したヘキサキス(p-アミノフェニル)ベンゼンとN-Boc-(L)-アラニンとの縮合によって合成した。また、別法として、ビス(p-アミノフェニル)アセチレンとN-Boc-(L)-アラニンとの縮合によって合成したビス[p-((L)-アラニルアミノ)フェニル]アセチレンをコバルト触媒によって環化三量化することにより合成した。 今後、ホスト1と2の単結晶化とX線結晶構造解析を行った後、不斉有機ゼオライトとしての特性を評価する。また、ホスト1と2にアミノ酸やペプチドを縮合させることにより、ヘキサキス[p-(オリゴペプチド)フェニル]ベンゼンを合成し、不斉有機ゼオライトのキャビティー(チャンネル)拡張や触媒基の導入を行っていく予定である。
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Research Products
(4 results)