2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340246
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Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
渡慶次 睦範 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (30291983)
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Keywords | 体サイズ-密度関係 / 種アバンダンスパターン |
Research Abstract |
1.体サイズ-密度関係の解析に関するデータ処理と理論的な検討をさまざまな角度からおこなった。 2.魚類群集における、体サイズおよび種間の違いがハビタット利用パターンに関わる影響について解析した。メソコズム実験により得られた行動パターンについてのデータを調べた結果、体サイズ・種の両要因ともハビタット選択に関係することが確認された。また、フィールドから得られた種間の空間的重なりに関するデータの、理論値との比較を行った。この研究の一部は既に投稿論文として発表した。 3.昨年に引き続きハビタットの複雑性とベントス群集の関係に関するデータ処理を進めた。本年度はハビタットの分断化に伴う体サイズおよび密度の変化について、解析をおこなった。同一面積のハビタットを異なる数のハビタット単位に分割した場合、それを利用する動物のアバンダンスが有意に変化する現象が確認されたが、その傾向は動物の分類群によって異なっていた。ベントス群集実験のデータでは、興味深いことに、小さいハビタット単位が多くある場合に、種数アバンダンスが高くなる傾向が見られた。また、体サイズ分布も変化した。 4.ロンドン大シュミット氏との共同研究に基づき、ヨーロッパ大陸および英国の河川動物群集データを使って、体サイズ-密度関係とマルチフラクタル性に関連する解析をさらに進めた。底質粒度分布にあらわれたマルチフラクタル性と体サイズ分布との関連性について解析を行った。特にデトライタス(有機粒子)のサイズ分布とベントスの資源利用パターン、および体サイズ-密度関係の理論的な繋がりを検討した。この仕事に関し、本書類提出時現在、nature誌への投稿論文を準備している。
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Research Products
(3 results)