2002 Fiscal Year Annual Research Report
光合成核遺伝子システムに特有なプロモーター構成と転写制御機構の解明
Project/Area Number |
14340253
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小保方 潤一 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (50185667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中邨 真之 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 助手 (60322145)
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Keywords | 光合成遺伝子 / 転写制御 / プロモーター / コアプロモーター / 調節プロモーター / 進化 / TATAボックス / 葉緑体ゲノム |
Research Abstract |
植物の核遺伝子の多くはコアプロモーターの成分としてTATAボックスをもっているが、光合成遺伝子群にだけはTATAボックスがあまりみられない。光合成核遺伝子の大部分はもともと原核型の葉緑体ゲノムにコードされていたものが、進化の過程で核ゲノムに転移し、そこで新たに真核型のプロモーターを獲得したと考えられている。本研究では、光合成核遺伝子群のもつ特有なコアプロモーター構成と、それが光合成遺伝子の発現制御機構とどのように関わっているのかを、明らかにする。本年度は、光合成核遺伝子のプロモーターについて、(1)構造的特徴の検討、(2)キメラプロモーターを用いた機能解析、を中心に研究を進めた。主な成果は以下のとおりである。 (1)光合成膜タンパク質遺伝子のプロモーターをシロイヌナズナやイネを材料に解析した。その結果、光合成装置は、葉緑体ゲノムにコードされている反応中心サブユニットの周囲をTATA-less型核遺伝子の産物が取り囲み、さらにその周辺部にTATAボックス型核遺伝子の産物が位置している、という階層的な構造をもつことが明らかになった。このうちTATA-less型遺伝子ののコアロモーター構造を詳細に解析したところ、その多くは、これまで動植物で知られているコアプロモーター配列を一切持たず、転写開始点の分布も独特であることがわかった。 (2)光合成遺伝子をはじめとする植物遺伝子群からコアプロモーター領域と調節プロモーター領域を取り出し、それらを組み合わせたキメラプロモーターの機能をタバコやイネで解析した。その結果、植物の核遺伝子のコアプロモーターと調節プロモーターの間には、少なくとも3種類の適合性群があり、その群を超えた組み合わせでは適切な転写調節が生じないことが明らかとなった。この知見は、コアプロモーターの構造は植物遺伝子の発現制御機構と密接に関わっていることを示している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Miyamoto, J.Obokata, M.Sugiura: "Recognition of RNA editing sites is directed by unique proteins in chloroplasts : Biochemical identification of cis-acting elements and trans-acting factors involved in RNA editing in tobacco and pea chloroplasts"Molecular and Cellular Biology. 22巻. 6726-6734 (2002)
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[Publications] M.Matsuo, J.Obokata: "Dual roles of photosynthetic electron transport in Photosystem I biogenesis : Light induction of mRNAs and a chlomatic regulation at post-mRNA level"Plant and Cell Physiology. 43巻. 1189-1197 (2002)
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[Publications] I.Sherameti, M.Nakamura, Y.Y.Yamamoto, T.Pfannschmidt, J.Obokata, R.Oelmueller: "Polyribosome loading of spinach mRNAs for photosystem I subunits is controlled by the photosynthetic electron transport : A crucial cis-element in teh spinach PsaD gene is located in the 5'-untranslated region"The Plant Journal. 32巻. 631-640 (2002)
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[Publications] 小保方潤一: "葉緑体から核へ移った遺伝子-新しい発現制御系はどのように生まれたか?"遺伝. 56巻4号. 73-77 (2002)
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[Publications] K.Hasegawa, Y.Yukawa, J.Obokata, M.Sugiura: "The tRNALeu-like sequence with the promoter of an Arabidopsis clock-regulated gene is functional : efficient transcription by an RNA polymerase-III dependent in vitro transcription system"Gene. (印刷中). (2003)
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[Publications] T.Sasaki, Y.Yukawa, T.Miyamoto, J.Obokata, M.Sugiura: "Identificatioin of RNA editing sites in chloroplast transcripts from the maternal and paternal progenitors of tobacco (Nicotiana tabacum) : comparative analysis shows the involvement of distinct trans-factors for ndhB editing"Molecular Biology and Evolution. (印刷中). (2003)