2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340255
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
新免 輝男 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80114510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 悦雄 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80212299)
園部 誠司 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30197024)
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Keywords | ミオシン / アクチン / プロセッシビティー / 原形質流動 / 花粉管 / リン酸化 / ビリン / タバコ培養細胞 |
Research Abstract |
本研究者は原形質流動の分子機構の解明を目指し、生化学的、生理学的および形態学的な研究を20年以上に渡って続けている。その結果、原形質流動の力発生に関与するミオシンを世界で始めて単離することに成功している。また、その軌道となるアクチンフィラメントは細胞内で束を形成しているが、その束化因子を始めて生化学的に単離することに成功し、これがビリンであることを明らかにしている。本研究はこれらの成果に基づいて進めているものであり、以下のような成果を得た。 1)ミオシンのN末端部分は分子の頭部を形成し、ATPの加水分解エネルギーを利用して、アクチンフィラメントの上を滑り運動する機能を持つ。原形質流動に関与するミオシンの頭部の機能特性を解析した。材料として、タバコ培養細胞から単離した175kDaの垂鎖を持つミオシンXIを用いた。一分子を用いた解析を行った結果、このミオシンはアクチンフィラメント上を離れずに長距離を滑り運動する機能(processivity)を持つことが明らかとなった。植物ミオシンのこのような分子特性を明らかにしたのはこれが始めてである。 2)花粉管の先端成長には原形質流動が不可欠であり、原形質流動を停止させるとその成長は止まってしまう。しかしながら、細胞全体で原形質流動が活発であっても、先端生長は起こらない。花粉管には太いアクチンフィラメントや大きい細胞小器官がない、いわゆる、透明層が存在する。そこでは活発な原形質流動は見られない。先端生長が継続するためには、この透明層の存在が不可欠であり、これにはアクチンフィラメントが関与している。本研究において、透明層の維持にはタンパク質リン酸化が関与していることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tominaga, M, Kojima, H.他7名: "Higher plant myosin XI moves proessively on actin with 35 nm steps at high velocity"The EMBO Journal. 22・6. 1263-1272 (2003)
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[Publications] Yokota.E., Izeki, T., Shimmen, T.: "Possible Involvement of energy metabolism in the change of cytoplasm organization induced by a protein phosphatase Inhibitor, calyculin A, in root hair cells of Limnobium stoloniferum"Protoplasma. 221. 217-226 (2003)
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[Publications] Nishimura, T, Yokota, E., Wada, T., Shimmen, T., Okada, K.: "An Arabidopsis ACT2 dominant-negative mutation, which disturbs F-actin polymerization, reveals its distinctive function in root development"Plant & Cell Physiology. 44・11. 1131-1140 (2003)
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[Publications] Yokota, E., Vidali, L.他6名: "Plant 115-kDa actin-filament bundling protein, P-115, is a homologue of plant villin and is widely distributed in cells"Plant & Cell Physiology. 44・10. 1088-1099 (2003)